自然の恵みを宿した錬金術的ジュエリー

日本は、自然と共生し、自然から芸術を編み出し、自然の恵みとともに暮らしを築いてきた列島である。日本家屋にしても、多くの民芸品にしても、自然から生まれた素材を生かして、丁寧に作られてきている。そんな自然の恵みの大国であるにもかかわらず、20世紀後半は、自然から遠ざかったライフスタイルが普及し、日々の生活の中に、自然が溶け込む状況がすっかり薄れてしまった。(生駒 芳子)


 
こうした背景から、2000年を過ぎてからは、「自然を見直そう」という、運動に近い活動が始まっている。自然の素材を生かした家具や食器、空間を作る動きが増える中で、彗星の如く現れたのが、ジュエリーブランド「su Ha (スハー)」だ。「生き物の無駄のない造形、たくましさ、賢さ、命がつないできた必然の美しさへの感動が原動力になって、su Haが生まれました。そんな自然への好奇心から、ジュエリー作りに取り組んでいます」とは、デザイナーの伊藤陽子さん。
 
テーマは、「呼吸するジュエリー」。ブランド名の「suHa」は、スー、ハーと呼吸をする植物や動物を素材としていることからきている。

※この続きは、オルタナ53号(全国書店で発売中)掲載の『エシカルファッションの旗手たち』でご覧ください。

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生駒 芳子(ファッションジャーナリスト)

ファッションジャーナリスト、アート・プロデューサー。VOGUE、ELLEの副編集長を経て2008年より「マリ・クレール」の編集長を務め、独立。ファッション、アート、デザインから、社会貢献、クール・ジャパンまで、カルチャーとエシカルを軸とした新世代のライフスタイルを提案。地場産業や伝統産業の開発事業、地域開発など、地域創生に数多く取り組む。2018年より、伝統工芸をベースにしたファッションとジュエリーのブランド「HIRUME」をスタートさせる。 アンダーグラウンド(モデル冨永愛個人事務所)代表、三重テラスクリエイティブ・ディレクター、日本エシカル推進協議会副会長、内閣府・消費者委員会委員、江戸東京きらり委員、東京2020ブランドアドバイザリーグループ委員、WEF(Women's Empowerment in Fashion)理事、認定 NPO 法人サービスグラント理事など。 連載:エシカルファッションの旗手たち

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