気候危機に背向ける米国の姿勢、G20やCOPで鮮明

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日本が議長国をつとめた6月のG20大阪サミットから6カ月。首脳宣言をめぐっては、気候変動対策に強い文言が入らないよう米政府が複数の国に圧力をかけていたと報道され、内容は米国などに配慮した玉虫色の表現となった。その後米国はパリ協定の離脱を正式表明。COP25で提起された気候変動対策強化でも消極的な姿勢が目立ち、国際的な孤立はさらに深まっている。中国、インドも対策強化に一線を画し、パリ協定に暗雲が立ち込めている。(オルタナ総研コンサルタント=室井孝之)

G20大阪サミット首脳宣言では、気候危機の問題をめぐり米国と他諸国の対立が明確となった。宣言では「パリ協定の完全な履行についてのコミットメントを再確認する」という文言とともに、「米国は、米国の労働者と納税者を不利にする理由で、パリ協定から脱退する」「米国のエネルギー関連の二酸化炭素排出量は、2005年から2017年間に、経済が19.4%成長しているにも関わらず14%減少した」と、両論が併記された玉虫色の内容となっている。

国際社会の協調を優先したためだが、当時すでに公表されていた2018年の米国の二酸化炭素排出量を使わなかったことには疑問が残る。G20大阪サミットの2カ月前の2019年4月、国際エネルギー機関(IEA)の報告書には、2018年の米国の二酸化炭素排出量は前年比3.1%増と記されていた。18年は増加に転じていたのだ。

3大排出国は、中国(2.5%増)、米国(3.1%増)、インド(4.8%増)といずれも増加している。国際統計データ専門サイトGLOBAL NOTEによると、2018年国別排出量は、中国27.9%、米国14.9%、インド7.4%であり、上位3ヵ国で50.2%を占める。

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2019年12月30日(月)9:12

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