本気で取り組む「トヨタのSDGs」

トヨタ自動車は6月8日、同社サイト内で「トヨタのSDGs」を公表した。豊田章男社長は5月に開かれた2020年3月期決算説明会で「SDGs(持続可能な開発目標)に本気で取り組む」と宣言している。SDGsは2015年9月に国連で採択され、17の目標と169のターゲットから成るグローバル目標だ。(オルタナ副編集長=吉田広子)

SDGsに本気で取り組むことを宣言した豊田章男・トヨタ自動車社長

トヨタ自動車は2019年6月に「サステナビリティ推進室」を新設して以来、SDGsやESG(環境・社会・ガバナンス)に本格的に取り組む体制づくりを進めてきた。今年2月にはサステナビリティ部門を統括するチーフ・サステナビリティ・オフィサー(CSO)を新設。早川茂副会長が就任した。

トヨタ自動車は「取り組みの根底にあるのは豊田綱領を始めとした企業理念であり、トヨタの考え方・価値観はSDGsが目指すものと一致している」と説明している。

トヨタのSDGsでは、創業の精神とモノづくりで培った技術、モビリティカンパニーへの変革を通じて、社会課題を解決することを目指す。

事業を通じた取り組みとしては、交通事故死傷者ゼロ、移動弱者不在、電源としても活躍するクルマの普及、ゼロエミッション(CO2ゼロ)などを掲げ、SDGsの目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」、目標13「気候変動に具体的な対策を」などに貢献する。

具体的な事例としては、2019年に発生した台風で千葉県が大規模停電に見舞われた際、トヨタは70台以上の電動車を派遣し、被災者らに給電を行った。このように災害への適応力を高め、災害に強い町づくりに寄与したい考えだ。

目標5の「ジェンダー平等を実現しよう」や目標8の「働きがいも経済成長も」などに貢献するため、ESGを強化し、人権問題への取り組みやダイバーシティも進める。

同社はこうしたSDGsの目標に加え、「さらに、すべての人に感動を」(ワクドキ)を追加。スポーツや移動の楽しさをここに分類している。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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