環境デューデリが世界に拡大、環境省も「入門書」

環境省は8月、「バリューチェーンにおける環境デュー・ディリジェンス(DD)入門」を公表した。環境DDとは製品の原料調達から製造、流通、使用、リサイクルに至るバリューチェーンの全工程における環境負荷を測る手法で、近年では、サステナビリティ報告書や統合報告書にも採用する動きが世界で広がっている。(オルタナ総研コンサルタント=室井孝之)

小泉進次郎環境相」は8月、「バリューチェーンにおける環境デュー・ディリジェンス(DD)入門を公表した。

日本ではDDという言葉は、企業買収などにおける投資対象調査という意味で使われ、環境DDは土壌汚染等の環境側面に関する調査を指していた。

近年では企業行動における環境分野を含む課題をマネジメントするために、DDプロセスを活用する動きが世界的に広がっている。

世界のDDに関する規制には2010年に米国・加州の「サプライチェーンの透明性法」、2014年EUの「非財務報告指令」などがある。

2017年に制定されたフランスの「企業注意義務法」は、企業と下請業者・サプライヤーの活動が原因の人権侵害・環境破壊を特定・防止する法的義務を課している。環境DDの一般への情報公開義務を世界で初めて定めた法律である。

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室井 孝之 (オルタナ総研フェロー)

42年勤務したアミノ酸・食品メーカーでは、CSR・人事・労務・総務・監査・物流・広報・法人運営などに従事。CSRでは、組織浸透、DJSIなどのESG投資指標や東北復興応援を担当した。2014年、日本食品業界初のダウ・ジョーンズ・ワールド・インデックス選定時にはプロジェクト・リーダーを務めた。2017年12月から現職。オルタナ総研では、サステナビリティ全般のコンサルティングを担当。オルタナ・オンラインへの提稿にも努めている。執筆記事一覧

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