仏ビオセボンが会社更生法申請、数社が買収に名乗り

日本でも店舗展開する仏オーガニックスーパー大手のビオセボンが会社更生法の手続きに入り、事業売却することが分かった。2008年の創業以来、パリを中心に急成長したが近年、収支が悪化していた。仏スーパー最大手のカルフールやオーガニック協同組合のビオコープのほか、数社が買収に名乗りを上げている。(在パリ編集委員・羽生のり子)

Bio c’ Bon (ビオセボン)アトレ竹芝店。日本での店舗も増えている

ビオセボンはイオンと共同出資し、日本で19店舗を展開している。買収元は10月半ばに決まる見込みだ。

フランス国内の報道によると、ビオセボンはパリを中心に国内123店、ベルギー、イタリア、スペインなど海外を含め158店舗を展開している。経済紙「レ・ゼコ」によると、年商は1億3000万ユーロ(約161億円)。日本でもイオンとの共同出資で「ビオセボン・ジャポン」(岡田尚也社長)を設立した。

ところが、今年9月初旬にビオセボンの運営元であるBioc’Bon SAS(BCB社、本社・パリ南郊アティスモン)がフランス商業裁判所で会社更生手続きに入った。5月末に、食品流通業界で複数の企業に株を持つモエズ=アレクサンドルとソラヤのズアリ夫妻が独占的に売買交渉に入ったが、交渉は数週間後に中断した。

その後、新たに4社が買収に名乗りを上げ、現在ズアリ家を加えた5者が買収を競っている。4社はスーパーの最大手カルフール、同じく大手スーパーのオーシャン、オーガニック専門店ナチュラリアを所有するス―パーのカジノグループ、オーガニック協同組合のビオコープだ。カルフールはカルフール・ビオというオーガニック専門店を出している。

ズアリ家は、冷凍食品専門店ピカールの株を44.5%所有し、スーパーのカジノ、モノプリなど500店舗を所有する。独占交渉は不発に終わったが、その後ビオコープの元幹部ジル・ピケ=ペロルス氏がズアリ側に付いて交渉に加わり、ビオセボンの社員と面会を始めるなどの運動を始めた。ビオセボンをズアリ家が取得すれば、ピケ=ペロルス氏が社長になると見られている。

ビオコープは、取得候補の中で唯一の協同組合で、生産者、消費者、流通業者で作る組合組織である。プレスコミュニケやテレビのインタビューで買収案を公表し、105店を取得すると発表した。買収候補のほとんどがフランス国内の店を取得の対象にしており、外国店は含まれていない。

日本で「ビオセボン」を共同運営するイオンも、BCB社に19.9%出資している。今回の買収騒動の中で、フランスではイオンの名前は出ていないという。

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