ベルギー発、有機系廃棄物からグリーンエネルギー

■世界のソーシャルビジネス 欧州編 ベルギー

林業廃棄物、廃材、汚泥などを素にしたバイオマスから電力や熱を作る─。そんな夢を現実にしつつある若い技術者たちのスピンオフ企業がある。その特許技術「NOTARガス化炉」は、セシウムや重金属汚染の激しい廃棄物処理にも適しているという。福島の汚染木材処理も視野に入れる。 (ブリュッセル=栗田 路子)

NOTARガス化炉の概念図©Xylowatt

バイオマスから合成ガスを生成するガス化炉は特に新しいものとはいえない。ただ、これまでの技術では、生成されたガスにタール含有量が多すぎ、そのままでは、電力と熱を作るためのコジェネ燃料としても、化石燃料に代わる工業用ガスとして用いることができなかった。そこでクシロワット(Xylowatt)社が開発したのが「NOTARガス化炉」。

タール含有ほぼゼロ、つまり「ノー・タール」の低温合成ガスを生成する世界に類をみない画期的なガス化システムだ。

NOTARガス化炉は、中規模(合計エネルギー生産量2千キロワット時以下)であることも優位性のひとつ。小規模ではコスト効率が悪く、大規模だとバイオマスを遠隔地から輸送せざるをえなくなり本末転倒。持続可能性を考えると、原料となるバイオマスは地産地消が望ましく、現場近くに設営できるコンパクトな設備が理想的だ。 

訪れたのは、ベルギー南部の都市ナミュール近郊の病院に、電力と熱を供給するモン・ゴディン・プラント。総責任者のビラル氏は笑顔がやさしい若手技術者。「先日視察に来た顧客候補は、測定器を自分で持ってきて計測していたよ。タール分ゼロなんてありえないって。でも全く検知できないって仰天してた」と誇らしげだ。

汚染木材処理も視野に

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2020年10月19日(月)11:00

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