フィリピンの貧困層と足並みを揃え、廃品で作ったリサイクル雑貨を販売。日本の消費者へ理解を深めるワークショップも開催するNPOの挑戦が続く。(聞き手・今一生)=文中敬称略
土居悠(29歳) NPOハロハロプロダクツ代表。2008年にフィリピンでのワークキャンプに参加したのを機に、リサイクル雑貨のフェアトレード事業、推進イベントを始める。
(本誌からの続き)
――コミュニティトレードの成功には、貧困層の生活向上のために彼らの作る商品を買う人を増やす必要がありますね

土居 最近は「小・中学生のような若い世代にどうしたら響くのか」を考え、エコ・トークショーとか芸能的な朗読劇を企画中で、小学生の親子連れを対象にハロハロプロダクツの事務所のある東京・中野に密着した売り方を始めるつもりです。
コミュニティトレードという本質を理解する消費者が少数でも生まれることに、大きな意義を感じていてうれしいです。
また、そうしたワークショップも、フィリピンでの品質向上や労働機会の拡大、日本での消費啓発事業などといった全般的な活動資金につなげていけないかと考えています。
――バッグのような雑貨は、消費者個人の好き嫌いで選ばれてしまうので、そこで買ってもらうだけの価値をはっきりと知ってもらう必要がありますね
土居 ハロハロプロダクツの雑貨が廃材を使ったリサイクル製品だということと、どういう人が作ったかを知っていただき、貧困層の人たちがこれらの雑貨商品を通じて仕事の幅を広げていこうとしていることの価値に気づいてほしいんです。