記事のポイント
- ローランズが晴海に「ソーシャルファーム拠点」となる新店舗を開いた
- 「ソーシャルファーム」は就労困難者の雇用を積極的に行う企業を指す
- 同社は1月に東京都の「ソーシャルファーム」認証の予備認証を受けた
生花販売のローランズ(東京・渋谷)はこのほど、東京・晴海に新店舗を開いた。同社はこの新店舗を「ソーシャルファーム拠点」と位置づける。「ソーシャルファーム」とは、就労困難者の雇用を積極的に行う社会的企業のことで、1970年代の欧州で広がった。同社はこれまでも障がい者雇用などを積極的に行ってきたが、今年1月に東京都の「ソーシャルファーム認証」の予備認証を受けた。(オルタナ編集部・萩原 哲郎)
晴海の新店舗は、複合施設・晴海フラッグに4月25日にオープンした。生花などの販売などのほかに、地域住民を対象にしたワークショップや、約18haの施設敷地の植栽管理を手掛けるなどして「花と緑を通した街づくり」を目指す。
同社はこれまでも障がい者などの就労困難者の雇用を積極的に手掛けてきた。従業員数80人のうち、障がい枠で雇用するスタッフは55名にのぼる。2023年6月には就労移行支援を行う「ローランズフラワーアカデミー」を立ち上げた。
同社は新店舗を「ソーシャルファーム拠点」と位置づける。1月に東京都の「ソーシャルファーム認証」の予備認証を取得した。
「ソーシャルファーム認証」は21年3月からスタートしたもので、認証は44事業者にのぼる。半年以内に認証基準を満たす事業計画を認証された予備認証は25事業者が受ける。認証基準には、事業からの収入を主たる財源として運営することや、就労困難者を全従業員の20%以上かつ3人以上雇用などの条件がある。
福寿満希社長は「今までローランズでサポートが難しかったシングル世帯や要介護のご家族がいらっしゃる方など、働くことの困難さと向き合う方を積極的に採用し、サポートします」とコメントした。新店舗を通じて、より幅広い就労困難者への支援が期待される。