そして、もう1つは、2013年7月に結成された「バングラデシュ労働者の安全のための同盟(アライアンス)」で、北米のウォールマート、GAP、シアーズ等26社が参加しているものである。
2つの組織の双方とも5年を期限とし、「アコード」は法的拘束力のある協定される一方、「アライアンス」の方は、自発的であり拘束力が弱いとの指摘がある。「アコード」の工場検査は厳格とされ、提携工場1600のうち現在までに250の検査を実施、そのうち8つの工場を一時閉鎖としている。
一方「アライアンス」は、工場検査がゆるいとの指摘もあるが、提携工場700のうち現在まで400近い工場検査を実施している。しかしバングラデシュ国内には5000から6000にも上る衣料品工場があり、その全てがこの両者の提携工場の検査でカバーされるというわけではない。検査がなされないその他の工場は引き続き環境整備が未対策のままとなることが懸念材料であり、全体の解決へ向けてはさらに時間を要すると思われる。
また、2014年1月にラナプラザの犠牲者に対する基金として、「ラナプラザ信託基金」がILOを被信託人として設立され、全ての企業・組織・個人からの寄付を受け付けている。現在1,500万米ドル(15億円)近い寄付が集まっているが、最終的に必要な補償金額は4,000万米ドル(40億円)には及ばず寄付がさらに必要だとしている。