また、この後、このキャンペーンは、同じくロンドン中心街のオックスフォード・サーカスにある伊系アパレル企業である「ベネトン」の店舗前に移動、店舗の入口を閉鎖するなどして訴えた。

ベネトンはこのためにこの日は営業を完全にストップ。ベネトンは、2013年5月に「アコード」に署名している。ベネトンは、ビル倒壊時にラナプラザから調達していた企業の一つとされているが、「アコード」の求める、被害者とその家族への補償金の支払いをしておらず、メディアやNGOから非難を浴びている。この日は、店舗を閉鎖され、店舗前にて補償金の支払いについて訴えられた。

ファッション・レボリューション・デイ
また1周年にあたり、もう一つの大きな動きとして、「ファッション・レボリューション・デイ」が開催された。これは世界にネットワークを持つ組織で、英国を中心に世界へ広げた運動で、4 月24日に自分の服を裏返しに着て、写真に撮り、どこの企業の製品か、誰が作っているのかを確認し、それをツイートするというものだ。

筆者は、夕方にロンドンで開催された「ファッション・レボリューション・デイ」のイベントにも参加したが、この組織の今後の動きとしては、「綿花生産や縫製など衣服製造に関わること」・「ファッションに関するやり方」をエシカルでサステナブルなものとして根本から変革を起こしていくというもののようだ。

消費者の観点からは、ただ安いから良いのではなく、それを「誰がどこで作っているのか」までを考えて購入するという倫理的な価値観から判断・行動することが消費者に求められてきている。そして企業人としては、自社のサプライチェーンの中で、製品や部品を「誰がどこでどのようにして作っているのか」について責任があるということを、このバングラデシュのラナプラザ・ビル倒壊から1年が経過した節目に考えていただければと思う。

下田屋毅(しもたや・たけし):
在ロンドン CSR コンサルタント。大手重工業会社に勤務、工場管理部で人事・総務・教育・安全衛生などに携わる。新規環境ビジネス事業の立上げを経験後、渡英。英国イーストアングリア大学環境科学修士、ランカスター大学MBA。欧州と日本の CSR の懸け橋となるべくCSR コンサルティング会社「Sustainavision Ltd.」をロンドンに設立、代表取締役。

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