「脱炭素」「資源循環」「生物多様性」の結び付きを学ぶ

記事のポイント


  1. 社会人向けの講習「グリーンビジネス実践」を10月に開講する
  2. 筆者(小林光)とバーチュデザイン代表理事の吉高まりさんが企画する
  3. 講座では「脱炭素」「資源循環」「生物多様性」の結び付きを学ぶ

■小林光のエコめがね(43)

社会人向けの講習「グリーンビジネス実践」を10月に開講する。コーディネーターは、筆者とバーチュデザイン代表理事の吉高まりさんが務める。今年から、「カーボンニュートラル」「サーキュラーエコノミー」「ネイチャーポジティブ」の主要三課題をそれぞれ要素分解するのではなく、そのネクサス(結び付き)を考えるように変えた。最近のグリーンビジネスの普及、そして深化に対応したものである。

ほかにも、既存事例のインプットの回数を4回から2回に減らし、ビジネス案の発表と講評も、これまでの4回から1回に絞る。結果、拘束期間を短くし、料金も低く設定した。これまでの経験から見ると、ビジネスパーソンの練度は高いので、インプットは、しつこくなくても結構染み入るし、ビジネス案への昇華も迅速だからだ。

私個人としては、脱炭素はもう当たり前で、資源循環や生態系の向上に合わせて取り組むようなビジネスでないと付加価値が出せないと信じている。

オルタナの連載「エコめがね」でも、そうしたネクサスに目を配って、レポートをしていきたいと思っている。

ちなみに、私と吉高さんは、大丸有地区のエコッツエリアでも、社会人相手の勉強会、「CSV経営サロン」を年3回のペースで主宰している。こちらは専らインプットのみであるが、今年は、すべてネイチャーポジティブを中心としたネクサスでビジネスする事例を扱う。

ついでであるが、学生相手の取り組みも紹介しよう。東大駒場で、やはり私ども二人が分担している「グリーンビジネス概論」、そして吉高さんが、2009年から慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)で開講している「環境ビジネスデザイン論」(私も11年から16年には主任教授として参加)では、履修生からのビジネス案の発表は1回だが、既存のビジネス事例のインプットには5、6コマも割いている。

私どもの共著『Green Business 環境をよくして稼ぐ。その発想とスキル』(木楽舎)を教科書に、前述の各課題をそれぞれに分解して、関係する法規制なども説明するような形を取っている。

いわば、社会人用の応用編が学生向け基礎編から段々と分化し変化してきたと言える。世の中に、グリーンなビジネスが定着してきた証左であろう、と嬉しく思う。

グリーンビジネス即戦力養成を目指す今年の講習の早期申し込み割引は、9月15日まで。この記事を見て関心を持たれた方は積極的に活用していただきたい。

・グリーンビジネス実践2024

hikaru

小林 光(東大先端科学技術研究センター研究顧問)

1949年、東京生まれ。73年、慶應義塾大学経済学部を卒業し、環境庁入庁。環境管理局長、地球環境局長、事務次官を歴任し、2011年退官。以降、慶應SFCや東大駒場、米国ノースセントラル・カレッジなどで教鞭を執る。社会人として、東大都市工学科修了、工学博士。上場企業の社外取締役やエコ賃貸施主として経営にも携わる

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キーワード: #サステナビリティ

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