無印良品がリサイクルしやすい単一素材のフリース

記事のポイント


  1. 無印良品を展開する良品計画は資源循環を意識した商品開発に取り組む
  2. リサイクルしやすいように全ての素材を単一素材化したフリースを発売した
  3. 着心地に加えて、「循環型のものづくり」への共感を狙う

無印良品を展開する良品計画は資源循環を意識した商品開発に取り組む。9月末には、商品の使用後にリサイクルしやすいように全ての素材を単一素材化したフリースを発売した。着心地に加えて、循環型のものづくりへの共感を狙う。(オルタナ副編集長=池田 真隆)

紳士・婦人・キッズの合計5アイテムで「素材に還るフリース」シリーズを展開

良品計画はリサイクルしやすい商品として、「素材に還るフリース」シリーズを始めた。同シリーズでは、メインで使う生地を指す「身生地(みきじ)」やボタンなどの付属品、縫製糸を含む全ての製品パーツにPET(ポリエチレンテレフタレート)100%の原料を使った。

身生地の素材は、ペットボトルを主原料とした「リサイクルPET100%」を使用した。軽量で程よい膨らみと柔らかな着心地を実現した。

30年までに家庭からの衣類廃棄量25%減へ

衣類廃棄の課題は世界的な社会課題になっている。この課題に対応するためEUは7月、EU域内で売れ残った衣類などの廃棄を規制した、「持続可能な製品のためのエコデザイン規制」を施行した。

日本政府も、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2024年改訂版案」において、家庭から廃棄される衣類の量を2030年度までに25%削減(20年度比)することを目指す目標を掲げた。

こうした機運に対応し、良品計画は循環型のものづくりへの移行を強化する。単一素材のフリースは発売して1カ月が経つが消費者からの評判はどうか。

同社の経営企画部広報課は、「商品発売後、まだ日が浅いため、反応についてはこれから寄せられるのでは考えております。循環型のものづくりへの共感とともに着心地や使い勝手の点でも支持いただけたらと思います」とコメントした。

M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナ輪番編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナ輪番編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

執筆記事一覧

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。