日本サステイナブル・レストラン協会(SRAジャパン、東京・渋谷)は11月18日、「FOOD MADE GOOD Japan Awards 2024」を開催した。サステナビリティを推進してきたSRAジャパン加盟レストランのなかから、模範となる成功事例を表彰した。大賞には、武蔵野のこだわり食材で作るピッツェリア「PIZZERIA GTALIA DA FIlLIPPO」(ピッツェリア ジターリア ダ フィリッポ、東京・練馬)が選ばれた。(オルタナ総研=金子愛子)
SRAジャパンは、英国のサステイナブル・レストラン協会(SRA)の日本の連携組織として、より多くの飲食店・レストランがサステナビリティに配慮した運営ができるように支援している。
具体的には、地産地消、アニマルウェルフェア(動物福祉)への配慮、再生可能エネルギーの使用によるCO2削減、フェアトレードやスタッフのディーセントワークの推進を行い、環境問題や人権・労働問題の解決を目指す。
同アワードは、本部がある英国のほか、香港などでも開催されてきている。
大賞を受賞したピッツェリア ジターリア ダ フィリッポ(東京・練馬)は、調達・社会・環境の各カテゴリーにおいて高得点を獲得した。昨年に続いての大賞だ。
漁法や海域を確認したうえで持続可能な水産物を調達し、未利用魚を活用する。今年1月に能登半島地震が発生すると、練馬区を拠点に支援物資の提供活動を始めた。9月の豪雨による水害以降は、スタッフ交代で輪島市での炊き出しを続けている。
リージョナルコーディネーターの歌川佳さんは、「自覚を持った行動をより強めた一年だった。これからも大賞に恥じぬようサステナブルを意識し行動をしていきたい」と、覚悟を語った。
BEST調達賞にantica locanda MIYAMOTO(アンティーカ・ロカンダ・ミヤモト、熊本市)が選ばれた。熊本の固有品種「あか牛」の放牧を通して阿蘇の草原を守っている点が評価された。
BEST社会賞にはOppla da Gtalia(オップラ ダ ジターリア、東京・練馬)が選ばれた。スタッフの公平な評価、健康的な食事の提供、コミュニティの支援などが評価された。特に今年は能登支援にも力を入れていた。
BEST環境賞にはオールデイダイニング「ORIGAMI」(オリガミ、東京・千代田)が選ばれた。端材のアップサイクルやコンポスト活用で食品廃棄物を減らしたり、料理長などが社内大学と称して技術や知見を高める努力をしたりしている点が評価された。
BESTリサイクル賞は千代田エリア(ザ・キャピトルホテル 東急/オールデイダイニング「ORIGAMI」/中国料理 「星ヶ岡」/日本料理 「水簾」)が選ばれた。全国牛乳容器環境協議会と連携した牛乳パックの回収キャンペーンにおいて、リーダーシップを発揮した点が評価された。
BESTフェアトレード賞は小川珈琲 本店(京都市)が選ばれた。フェアトレード・ラベル・ジャパンと連携し、フェアトレードに関するアクションの実施を呼びかけるキャンペーンにおいて啓発、推進をリードした点が評価された。
SRAジャパンの下田屋毅代表理事は「日本全国でサステナブルレストランのムーブメントとサステナの輪を広げていきたい」と意気込みを語った。
「FOOD MADE GOOD Japan Awards 2024」の受賞者とFOOD MADE GOOD 星付き店舗は次の通り。
大賞:
PIZZERIA GTALIA DA FIlLIPPO(東京・練馬)★★★
BEST調達賞:
antica locanda MIYAMOTO(熊本・熊本)★★★
BEST社会賞:
Oppla da Gtalia(東京・練馬)★★★
BEST環境賞:
ORIGAMI(東京・千代田)★★★
BESTリサイクル賞:
千代田エリア(ザ・キャピトルホテル東急/オールデイダイニングORIGAMI/中国料理 星ヶ岡/日本料理 水簾)
BESTフェアトレード賞:
小川珈琲 本店(京都・右京)
特別功労賞:
大島隆司氏・BOTTEGA BLU. (兵庫・芦屋)
特別社会貢献賞:
冨成寿明氏・日本料理 冨成(石川・輪島)
FOOD MADE GOOD 星付き店舗:
お料理 あなぐち(新潟・佐渡)★
Cafe&Meal MUJI吉祥寺マルイ(東京・武蔵野)★
日本料理 水簾(東京・千代田)★
ヒカリヤニシ(長野・松本)★
星のキッチン(東京・港)★
福山オリエンタルホテルCaferest montrose(広島・福山)★★
Sens&Saveurs(東京・千代田)★★
中国料理 星ヶ岡(東京・千代田)★★
※★は2024年度のレーティングで獲得した星の数