記事のポイント
- 温室効果ガス削減目標を決める政府の審議会のガバナンスが問われている
- 「結論ありき」で進むプロセスに疑問の声を上げる委員が相次ぐ
- 識者は「審議会のガバナンスに問題がある」と指摘した
■揺れるGHG目標(2)
温室効果ガス(GHG)削減目標を決める政府の審議会のガバナンスが問われている。環境省と経産省が11月25日に開いた第6回会合では、終了の30分前に事前の通達なく、国の削減目標案を事務局が示した。十分な議論を行うことなく、「結論ありき」で進むプロセスに疑問の声を上げる委員が相次ぐ。(オルタナ副編集長=池田 真隆)
環境省と経産省は合同で、2035年度のGHG削減目標に関する審議会を開いてきた。11月25日の第6回会合では、骨子案として、事務局が「2035年に2013年度比60%減」を示した。今後、審議会を複数回開き、骨子案をもとに方向性を固めていく。
だが、この審議会の進め方について委員から疑問の声が上がる。主な理由は二つある。一つ目は、審議会が終わる30分前に事前の通達なく、事務局がこの骨子案を出した点にある。委員にとっては、意見をまとめる事前準備の時間がなかった。
そして、二つ目は、議論が煮詰まっていないことだ。野心的な目標を打ち出すために、現行の削減ペースからどのように引き上げるか、そのことについて委員間で十分に議論する時間が取れていなかった。
■「35年60%減」は1.5℃目標と整合していない
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■政策形成のガバナンスに問題がある