1981年~2000年の満開日の平均は、4月5日頃だが、2001年~2014年の平均は3月30日頃で、1週間早まっている。
これまでも生物は環境に適応しながら進化してきており、そのことが、現在の生物多様性の基礎をなしていることは紛れもない事実だ。しかし、現在の温暖化の進行は、生物の進化史的なタイムスケールとは比べようもないほどに早い。
旧暦3月の名前をあてはめるなら、今年の東京の桜は、「さくら さくら」の歌詞のとおり、今月末、「弥生の空」に満開となるようだ。
かつて満開の桜というと、4月の入学式と結びつくイメージがあった。新入生の制服姿の肩越しに、前途を祝福するように満開の桜が花を添えている、といった光景は、日本の4月の風物詩であり、学生服や標準服のポスターの定番の一つでもある。
しかし、遠からず、東京ではこの伝統的な構図が変わり、入学式は新緑の若葉の季節となるだろうとも聞く。その時、春告げ鳥は、冬は名のみの暖冬にさえずり、鰆は、一年中食卓を賑わしているのだろうか。
カルピス㈱人事・総務部 坂本 優