記事のポイント
- スターバックスは3月24日から、全国1991店舗に新ストローの導入を始める
- 紙製ストローでは、時間が経つとふやけて飲みにくくなるという課題があった
- バイオマス素材の新ストローで、飲みやすさとプラごみ削減の両立を実現する
スターバックス コーヒー ジャパンは3月24日から、バイオマス素材のストローを全国の店舗に導入する。同社は20年から紙製ストローを提供していたが、時間が経つとふやけて飲みにくくなるという課題があった。バイオマス素材の新ストローではその課題を克服し、飲みやすさとプラごみ削減の両立を目指す。(オルタナ編集部=松田 大輔)

スターバックス コーヒー ジャパン(東京・品川)は3月24日から4月末にかけて、バイオマス素材99%のストローを全国の1991店舗に順次導入する。
気候変動や海洋プラごみ対策の一環として、同社は石油由来のプラスチック製ストローの全廃を目指してきた。日本国内の店舗では20年、持続可能な森林管理の国際認証「FSC認証」を受けた紙製ストローを導入した。
一方で、紙製ストローは耐久性に課題もあった。時間が経つとふやけてしまい、顧客からは飲みにくいという声も上がった。バイオマス素材の新ストローではプラスチックごみ削減に寄与しつつ、飲み心地の良さの実現を狙った。
紙製ストローと比べて重量が半分ほどになるので、廃棄量も従来の半分の年間200トンほどまで減らせる見込みだ。重量が少ない分、輸送や廃棄、焼却などに必要なエネルギー量も低く抑えられるため、CO2排出量の削減にもつながる。
新ストローのもう一つの特徴は「生分解性」だ。これは微生物が素材を分子レベルまで分解し、最終的に二酸化炭素(CO2)と水になる性質を指す。
自然界で循環するため、海洋プラスチックごみ問題の解決に寄与する。温度や微生物の量にもよるが、海水では3か月程度で生分解が進み、4か月以降には完全に生分解されるという。

同社のサプライチェーン本部・サステナビリティ部の古川大輔部長は、「化石燃料由来のプラ削減や、海洋プラごみ問題に向き合う取り組みだ。環境に配慮ができて、飲み心地も良いストローにたどり着くことができた」と語った。
世界約80カ国で展開するスターバックスは、2030年までのグローバル目標として、CO2排出量、水使用量、廃棄物量の「50%削減(2019年比)」を目指す。