欧米企業が先行する「水」への取り組み――下田屋毅の欧州CSR最前線

オープニングセッションで、ハーバード大学ジョン・ブリスコー教授は、「全ての水に関する課題の解決策は、ローカルな解決策である」と強調した。「それぞれの地域での水の課題と解決策があり、それぞれの場所においてのみ見つけられる。ストックホルムの解決策は、マルメ(スウェーデン南部の港市)のものではなく、インドのムンバイのものでもない。」

また、「全ての解決策は、一時的なものである。ストックホルムで100年前に機能していた解決策は、現在では必ずしも機能するものではない。水は成長を変化させる。同様に、その成長の存在は、水に関連するすべての機会を変更する」と述べた。

さて、5日間のセッションでは、特に企業活動に関わるセッションに積極的に参加したが、やはり、この会議に参加しプレゼンをしている企業は、サプライチェーンを含めた自社が関わる水の問題に関して、危機的な意識が高く、取り組みが非常に進んでいると感じた。

今回の会議で企業として存在感を強く感じた企業は、ザ・コカコーラ・カンパニー、ネスレ、ペプシ。またNGOでは、WWF、CDPだ。そして、国連グローバルコンパクトのCEOウォーターマンデートがセッションを設け、先進事例を伝えるとともに、水に関する積極的な活動を促していた。

■他企業や団体と協調行動を取る必要性

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下田屋 毅(CSRコンサルタント)

欧州と日本のCSR/サステナビリティの架け橋となるべく活動を行っている。サステイナビジョン代表取締役。一般社団法人ASSC(アスク)代表理事。一般社団法人日本サステイナブル・レストラン協会代表理事。英国イーストアングリア大学環境科学修士、ランカスター大学MBA。執筆記事一覧

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