記事のポイント
- ペット市場は堅調だが、大量生産と廃棄犬猫の末路が課題になっている
- パナソニックが社会貢献活動の一環として保護犬猫の譲渡会を主催している
- 同社はテクノロジーの力でペットとの暮らしをサポートする
パナソニックが保護犬猫の譲渡会を主催している。野良犬・猫や過度な大量繁殖によるペット、飼い主による飼育放棄などで保護される犬や猫が絶えない。保護団体で収容できない分は最終的に殺処分されるが、その命をどうすれば低減できるのか。同社は「新しい里親との出会いの場」を提供し、人とペットが共に幸せに暮らせる環境づくりの社会貢献活動に力を入れている。(経済ジャーナリスト・海藤秀満)

■パナソニックが主催する保護犬猫の譲渡会が8回目
4月18日と19日に東京・江東区有明のイベントホールで、パナソニック主催の保護犬猫譲渡会が開催された。2022年から始まり今回で8回目のイベントには、これまで延べ3万人以上が来場し、340頭以上の保護犬と保護猫の里親への譲渡につながった。近年は年2回のペースで開催されている。
譲渡会で迎え入れたい個体を決めた里親希望者は、申し込み後に保護団体の審査を経て2週間程度の飼育トライアル期間を体験する。その結果正式に里親が決定すると、保護団体が負担した医療費などを支払い、個体が譲渡される。
■きっかけは保護団体の「譲渡会の場所がほしい」
ではなぜ、パナソニックが保護犬猫の譲渡会を主催するのか。その始まりは、動物保護団体の「譲渡会の場所がほしい」という声だった。増え続ける保護犬猫の数は動物保護団体の収容可能数を超え、里親が見つからないで最終的に殺処分される命が絶えない社会問題がある。
パナソニックは当時所有していた都内の施設を譲渡会の場として提供し、保護犬猫と里親のマッチングの機会を設けた。保護犬猫の「新しい家族との出会いの場」を作る社会貢献活動の一環として譲渡会を開いている。33の保護団体には自社製品の次亜塩素酸 空間除菌脱臭機「ジアイーノ」を寄贈し、朝日新聞社のペット専門メディア「sippo」の協力や動物保護団体、賛同企業を集めて継続している。
ただ場所を提供するのではなく、保護犬猫が生まれる背景やペットに対する正しい知識の学びの場も設け、人とペット双方の幸せにつなげたいとする。
譲渡会は「猫の部」と「犬の部」に分かれ、その他にトークショーや賛同企業のブース、チャリティ物販とパナソニックのペット関連家電コーナーが設けられた。トークショーでは、ペットとの付き合い方や健康管理などペットに関する学びのコンテンツが公開された。
動物保護団体への寄付やチャリティー物販での売り上げは、イベントに参加した動物保護団体に渡り、保護犬や保護猫の医療費など活動資金に使われる。

■ペット市場は堅調も、大量生産と廃棄犬猫の末路が悲劇に
ペットの国内市場は年率2%超の堅調な成長で、2026年度の総市場規模は1兆9749億円と予測される(矢野経済研究所調べ)。ペット食や医療・健康管理法の向上で犬猫とも平均寿命は14〜15歳まで延びている。
一方で、繁殖業者による大量繁殖、ペットショップでの大量販売と、売れ残りや飼いきれなくなった個体、不妊去勢手術をせずに外飼いで繁殖してしまい、保護施設に収容される犬猫が絶えない。保護施設で収容できる数には限りがあるので、里親が見つからない場合は殺処分される。特に猫は通年で繁殖するので、殺処分の8割が猫だという(日本動物愛護協会)。
欧米の先進国では、ペットショップでの生体販売を禁止・抑制する国や地域が多く、犬や猫は正規のブリーダーから購入するか、保護団体から譲り受けるのが実情だ。


■テクノロジーの力でペットとの暮らしをサポート

パナソニックは、家電や住宅・住環境の事業を通じて「人とペットが快適に暮らせる環境づくり」に力を入れている。空間除菌脱臭機の他に、ペットの毛もからまずに吸い取る掃除機、留守でも室内のペットを見守れるペットカメラ、犬用バリカン、夜のお散歩に便利なLEDネックライトやペットを撮影するミラーレスカメラなどペット関連の家電製品を会場に展示した。
同社はこのイベントに関して特別な広告・宣伝は行わず、関係者のSNSでの情報発信などで認知が広まっている。また、譲渡会に初めて参加する人が6割を占めるという(広報)。リアルな対面の譲渡会を通して、1頭でも多くの保護犬猫と飼い主候補とのマッチングを手助けし、無駄な殺生を減らしたい考えだ。
命あるペットと暮らすということは、飼い主がきちんと最期まで飼い遂げることだ。家族に迎えた動物は、飼い主以外に頼れる相手がいない。




