記事のポイント
- 今後の再生可能エネルギーの調達では「追加性」が重要キーワードに
- 自社の再エネ導入によって世の中の再エネの総量が増えることを指す
- 国際イニシアティブRE100は再エネ選択の基準に追加性を求めた
今後の再生可能エネルギーの調達では「追加性」が重要キーワードだ。追加性とは、自社の再エネ導入によって世の中の再エネの総量が増えることを指す。再エネへの切り替えを推進する国際イニシアティブ「RE100」は再エネ選択の基準に追加性を加えました。(オルタナ輪番編集長=池田真隆)

再エネの追加性とは、新規の再エネ設備への投資を促す意味を持つ概念だ。英語だと、「additionality(アディショナリティ)」と表す。
2050年のカーボンニュートラルを実現するには、再エネへの切り替えが欠かせない。だが、単に再エネへの切り替えを進めればいいわけではない。追加性のある形で再エネの導入を増やすことが必要だ。
追加性のある再エネ切り替えでは、自社の投資や調達によって社会全体の再エネの総量を増やすことにつながる。一方、過去の再エネ電力を非化石証書などで購入することは、社会の再エネ総量の増加につながらないので追加性は認められないケースが多い。
■非化石証書は再エネと認められなくなる
では、追加性のある再エネとはどのように調達するのか。その一つが、長期間(約20年)固定価格で再エネを調達する「コーポレートPPA」だ。コーポレートPPAで企業が購入した電力の資金は、新たな再エネ発電所の建設に使う。
一方、過去の電源への価値を付与する「非化石証書」の購入は、追加性は認められない。自社の事業で使う電力を100%再エネに切り替える企業が加盟する国際イニシアティブRE100は2024年、運転を開始して15年超の既存再エネの調達を原則禁止した。再エネを選択する際の基準に、追加性を加えた。
非化石証書は脱炭素効果が不透明なこともあり、将来的には再エネとして認められなくなる可能性が高い。
企業の温室効果ガス排出量の算定・報告に関する国際基準「GHGプロトコル」の改訂が行われているが、改訂案通りに決まると、2030年ごろからは既存の非化石証書を使って再エネと主張することはできなくなる。
GHGプロトコルに法的拘束力はない。だが、SSBJやSBTi、RE100などサステナ関連の各種枠組みはGHGプロトコルを基に開示内容を定めている。そのため、GHGプロトコルの改訂の影響は大きい。
これからの再エネ調達には、追加性が求められる。



