記事のポイント
- 13カ国の経営幹部らを対象にしたAI導入に関する調査レポートが公開
- 調査の結果、45%が1年以内にAIエージェントを導入すると答えた
- AI導入の真の課題は、技術ではなく「人間の納得と信頼」にある
スイスの人材サービス大手アデコの調査で、日本や米国、英国など13カ国の経営幹部2000人のうち45%が「1年以内にAIエージェントを業務に導入する」と答えた。一方で、AI導入に関する企業側の説明や対話が十分ではない実態も浮かび上がった。AI導入の真の課題は技術ではなく「人間の納得と信頼」にある。(オルタナ編集部・川原莉奈)

調査は、アデコ・グループが13カ国の経営幹部2000人を対象に実施した。13カ国は、米国、カナダ、フランス、ドイツ、スペイン、英国、ベルギー、イタリア、オランダ、スウェーデン、スイス、日本、オーストラリア。
同社が公表した報告書「The human premium: Leadership beyond the algorithm(ザ・ヒューマン・プレミアム:リーダーシップ・ビヨンド・ジ・アルゴリズム)」によると、経営幹部の45%が「今後1年以内にAIエージェントが業務フローに導入する」と答えた。一方で、同様の見方を示した従業員は30%にとどまった。
ただし、従業員側は必ずしもAI活用に否定的ではない。「従業員がAIエージェントに適応できる」と考える経営幹部は39%にとどまったのに対し、従業員の70%は「AIエージェントとの協働に準備ができている」と答えた。
これは、従業員の準備態勢は経営幹部が想定する以上に整っている可能性がある一方、導入に向けたコミュニケーションや調整が追いついていないことを示唆している。
さらに、自組織が将来を見据えた能力育成を進められていると「非常に確信している」と答えた経営幹部は22%にとどまった。AIが従業員を置き換えるのではなく、新たな機会を創出すると人材戦略で明確に示している企業も36%だった。
アデコグループのデニス・マシュエルCEOは、「AIはソフトウエア並みの速さで進化するかもしれないが、組織における信頼は人間のペースで築かれる」と指摘した。
そのうえで、「ビジネスリーダーには人とテクノロジーが調和して働けるようにする根本的な責任がある」と強調した。AI導入を成果につなげるには、「透明性や説明責任を伴った対話と信頼構築が必要である」としている。



