記事のポイント
- 人手不足が深刻な建設業界で、巴山建設は「働き方を変える」改革を進める
- ICT施工で残業ほぼなし、若手を育てる文化を築き施工管理職の約7割が若手に
- 業界に根強く残る「古い体質」を変え、若者や女性から選ばれる会社を目指す
人手不足が深刻化する建設業界で、働き方や企業文化を変え、若者や女性から選ばれる会社を目指すのが巴山(ともやま)建設(東京・調布)だ。ICT施工や遠隔施工を取り入れ、残業ほぼなしを実現。さらに、会社全体で若手を育てる文化を築き、施工管理職の約7割を若手が占めるまでになった。古い体質が根強く残る業界で、同社はどのような改革を進めてきたのか。(オルタナ編集部・川原莉奈)

巴山建設では、施工管理職25人のうち17人を10~20代が占める。高齢化と人手不足が深刻な建設業界において同社に若手が集まる背景には、単なる採用活動にとどまらず、現場の負担軽減と多様な人材が活躍できる環境づくりを進めてきた取り組みがある。
その柱がICT施工の導入だ。専門部署を新設し、ドローン測量や3Dデータ化を活用することで、従来1カ月かかっていた測量を最短4日まで短縮した。社員の月平均残業時間は5時間(2025年度実績)と導入前から約20時間減少し、完全週休2日も実現している。
また、女性が働き続けられる職場づくりにも力を入れた。女性専用の休憩室やトイレ、髪を結んだまま着用できる軽量ヘルメットを導入したほか、女性視点で衛生面や安全面を点検する「女性パトロール」も実施している。こうした取り組みが評価され、「令和6年度東京都女性活躍推進大賞」で特別賞を受賞した。

さらに、会社全体で若手を受け入れ、育てる体制を築いてきた。中学生の職場体験から専門学生向けインターンまで幅広く受け入れ、参加者が一人でも社長や現場社員が部署を越えて対応する。入社後も同世代が相談し合える「ユース会」を設け、孤立しやすい現場で相談できる環境をつくっている。

2026年春からは都内で初めて建機の遠隔操作の本格運用を開始し、猛暑や災害現場でのさらなる安全性向上にも挑む。若手や女性の声と新技術を掛け合わせる同社の改革は、人手不足への答えを「単なる人員確保」ではなく、「多様な人材が働き続けられる仕事へ変えること」に見いだしている。


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