世界は「温暖化地獄の2丁目」に来た ③「大量消費は豊か」の幻想から脱却を

記事のポイント


  1. 気候危機対策では大量消費で豊かになるという幻想が根本問題だ
  2. 資源・エネルギー消費の削減や炭素税の導入で脱石燃料を進めるべきだ
  3. 製造業の高度化やエコ製品の導入により大量生産型の産業の転換を

気候危機を乗り越えるために、日本は何を変えるべきなのか。東京大学の山本良一名誉教授は、日本は大量生産・大量消費を前提とした社会を抜本的に変えるため、資源・エネルギーの消費量そのものを減らす必要があると指摘する。その上で、炭素税の導入などにより脱化石燃料を急ぎ、製造業の高度化やエコプロダクツの導入を図るべきだと訴える。(オルタナ副編集長・京正裕之)

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: %E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88-2026-08-13-141417-530x379.jpg
山本良一
東京大学名誉教授
茨城県水戸市生まれ。1969年東京大学工学部卒業。 74年同大学院工学系研究科博士課程修了、工学博士。 74年ドイツ、マックスプランク金属研究所客員研究員、 89年東京大学先端科学技術研究センター教授、 92年同生産技術研究所教授、2010年東京大学名誉教授。 2021年東京都公立大学法人理事長。日本エシカル推進 協議会名誉会長、気候非常事態ネットワーク発起人代表。 専門は材料科学、エコマテリアル、エコデザイン、LCA、 環境マネージメントなど。

――気候危機の根本には「過剰消費」があると指摘しています。日本は何を変えるべきでしょうか。

根本にあるのは、私たちが「オーバーコンサンプション(過剰消費)」から抜け出せていないことです。過剰消費は地球環境だけでなく、私たち自身の健康にも良くありません。それでも、大量に生産し、大量に消費し続けることによって豊かになれるという幻想を持ち続けています。

米欧では「デグロース(脱成長)」という言葉が不評で、「ウェルビーイング・エコノミー」「ビヨンド・グロース(成長を超えて)」「サーキュラーエコノミー(循環経済)」「サフィシエンシー・エコノミー(足るを知る経済)」などと言っていますが、本質は同じです。

過剰消費から目を覚ますために、共通の見解を持たなければいけません。過剰消費を改めてミニマリズム消費やエシカル消費を目指してもらいたい。そして、私たちが使うエネルギーと資源の消費量を減らすしかありません。

ただ、再エネに替えればすべてが解決できるわけでもありません。送電線には銅が必要ですし、さまざまなレアメタルも使います。一つの問題を別の問題に置き換えるのではなく、抜本的な解決を目指さなければなりません。

■コストがかかるCCSは現実的ではない
■炭素税を導入し、税収を国民に還元
■行き過ぎた資本主義と産業の見直しを

有料会員限定コンテンツ

こちらのコンテンツをご覧いただくには

有料会員登録が必要です。

hkyosho@alterna.co.jp

京正裕之 (オルタナ副編集長)

執筆記事一覧
キーワード: #温暖化地獄#脱炭素

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。