記事のポイント
- 米気候団体「America Is All In」幹部が「化石燃料依存が日本の脆弱性になる」と指摘した
- 一方、米国では26年の新設設備の93%を太陽光・風力・蓄電池が占める見通しだ
- パリ協定離脱後もクリーンエネ投資が拡大し、州・都市の気候対策継続を強調した
米国で気候変動対策を進める自治体や企業でつくる団体「America Is All In(アメリカ・イズ・オール・イン)」のクリス・ウィート・エグゼクティブ・ディレクターは10月2日、オルタナの取材に対し、ホルムズ海峡危機後に米国が化石燃料輸出を拡大させている現状について「化石燃料への強い依存は、米国だけでなく日本にとっても脆弱(ぜいじゃく)性になる」と指摘した。一方、米国内では第2次トランプ政権下でもクリーンエネルギーの導入が進み、2026年に新設予定の大規模発電・蓄電設備容量の93%を再エネと蓄電池が占める見通しだという。(オルタナ副編集長=京正裕之)

ウィート氏は同日、気候変動イニシアティブ(JCI)のイベント「気候変動アクション日本サミット2026」で特別講演した。講演では、第2次トランプ政権が気候政策を後退させる一方、州や都市、企業などはクリーンエネルギーへの移行を続けていると強調した。
米エネルギー情報局(EIA)によると、26年に米国で新設予定の大規模発電・蓄電設備容量は86ギガワットに上る。このうち太陽光が51%、蓄電池が28%、風力が14%を占め、3分野を合わせると93%になる。
America Is All Inは、州や都市、企業、学校など、連邦政府以外の主体による気候変動対策を支援するネットワークだ。全50州に参加主体があり、米国人口の63%、国内総生産(GDP)の74%をカバーする。17年に第1次トランプ政権がパリ協定からの離脱を表明した際、4000を超える州・都市・企業などが「We Are Still In(私たちは今も参加している)」と宣言した動きが原点にある。
■ホルムズ危機の化石燃料依存は日本にぜい弱性
ホルムズ海峡を巡る情勢と米国の化石燃料輸出について尋ねると、ウィート氏は「再生可能エネルギーの促進と支援に、より持続可能な未来がある」と述べた。イランを巡る紛争は「化石燃料への強い依存が、米国だけでなく日本にとっても脆弱性になることを示している」と指摘した。
足元で米国の液化天然ガス(LNG)輸出は増えている。EIAによると、26年上半期の米国のLNG輸出は日量174億立方フィートで、前年同期比23%増となった。3月にはホルムズ海峡を通るLNG輸送の混乱で、世界のLNG供給の約2割が一時的に途絶えた。これに伴う国際価格の上昇などを背景に、アジア向けの米国産LNG輸出は前年同期比108%増と2倍超に拡大した。
ウィート氏は、今回の危機が収束しても「常に次の危機を待つことになる」と述べ、ウクライナ戦争でも欧州各国が同様の問題に直面したと指摘した。その上で、再エネや蓄電池への移行は「長期的には経済の安定を生み出す解決策になる」と語った。

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