4月1日、電力小売の全面自由化が実現した。数多くの「新電力」が電力小売に参入する中、自然エネルギー中心の電気を販売する事業者も登場。首都圏を対象地域とする「みんな電力」(東京・世田谷)もその一つだ。2月に企業向け電力の販売を開始し、一般家庭向け販売もこのほど申込み受付を始めた。同社の大石英司代表に話を聞いた。(オルタナ編集委員=斉藤円華)
■自然エネ比率高める
――みんな電力が販売する電気における自然エネルギーの割合は
企業向け電力では生グリーン電力が15%、FIT(自然エネルギーの固定価格買取制度)で調達された電気が55%。その他の30%が常時バックアップ用だ。4月から一般家庭向けに販売する電力もほぼ同じになる。自然エネルギーの比率は今後も高めていきたい。
――電気料金は従来と比べて高くなるのか
大手電力会社と比べて、企業向け販売分は若干安くなっている。一般家庭向け販売予定分でも従来とほぼ変わらない水準の見込みだ。
――自然エネルギー電力は十分確保できるのか
電力を調達するには自社による発電、取引所からの調達、新電力どうしでの融通、大手電力からの購入など、色々方法がある。われわれが特に力を入れているのは市民電力からの購入だ。3・11以降、全国各地で自然エネルギー発電事業が発足している。一つひとつの発電規模は小さいが、それらからの購入量が集まれば一定の量を確保できる。
みんな電力が販売する電気の大きな特徴は、「発電事業者の顔が見える」ということだ。例えば市民電力や自治体など、各地の事業者の中から選んで電気を買うことができる。
また、われわれはメガソーラーやバイオマスといった自然エネルギーの電源開発も行っている。顧客が増えて電力需要が伸びれば、自社で電源を調達することも可能だ。このほか、自治体などからの買電も予定している。