アマゾンからの伝言②―スティングの思い受けて

アマゾンの風景
アマゾンの風景

◆「アマゾンからの伝言」①―RFJ南研子代表講演会

1989年5月、熱帯森林保護団体(RFJ)代表の南研子さんがスティングとラオーニを空港に迎えに行っている頃、私は、その数日前、スティングがパリの放送局で「アマゾンの森が危ない!いまこそ行動すべき時だ」と主張しているワールドツアーの番組を「生」で観ていました。

当時パリ駐在をしていた私に1通の招待状が放送局から送られてきました。いまでもなぜ私だったのか、分かりません。

A2(アンテンヌ2)という、いわばNHKみたいな放送局のスタジオに招かれました。番組収録風景を楽しんでもらおうという趣旨のようでしたが、私にはとんでもない苦痛でした。

何の番組だか知らされぬまま始まったのが、フランス風、しゃべくり漫談、要はお笑い番組です。どこでどう笑ってよいのか。私の席は最前列でした! 後ろから聞こえてくる笑い声に素早く反応して笑って見せるのですが、どうしてもタイムラグが生じてしまい。。。

苦悶の15分間が過ぎると、トークショーでした。何といきなりあのロックシンガーのスティングが登場し、話し始めました。

「今日、ここに来たのは歌を歌うためではありません。歌手のスティングではなく、ゴードン・サムナーという一個人としてこの場にいます。アマゾンの森を救うためにです」

インタビュアーの質問に答えるように会話が進みました。

番組の終了間際だったと思います。司会者がスティングの耳元で何か囁きました。

するとスティングはしょうがないなという感じで笑い、伴奏もなく、いきなり歌い始めたのです。「行かないで」というシャンソンでした。

こんなに胸に迫る、ぐっとくるシャンソンを聴くのは初めてでした。すぐ目の前でマイクもなく歌っているスティングがいること自体、感動的でしたが、その声の持つ力に圧倒されました。

歌手ではないから今日は歌わない、と何度も口にしていた彼が、いったいなぜ歌いだしたのか?

あのインタビュアーはスティングの耳元で何と言ったのか、いまだに分からず仕舞いです。ただ、スティングがフランス語で歌うシャンソンが耳に、胸に、心に、身体に残っていました。

ですから、それから10年以上経って、RFJの研子さんにお会いし、彼女がスティングとラオーニを迎えに行くことからこの活動が始まったことを聞かされた時にはとても驚きました。

27年間で30回のアマゾン通いをした研子さんからどんなお話が伺えるのか、2月15日の講演会がとても楽しみです。

私たちエムズシステムは会社の設立時から、ささやかな支援を続けさせて頂いています。

人間にとっての幸せの在り処、進化という言葉の意味、事業を進めていく意義など、本質にかかわることを考え、見つめ直すとき、アマゾンのことに思いを馳せ、こころのブレを正そうと試みます。

アマゾンの森で起きていることは、遠い地球の果ての出来事ではなく、自分たちのこころの中に起きていることだと感じます。

ぜひ、皆さまも、研子さんの放つアマゾンの熱風に触れ、エネルギーを感じ、地球の反対側にある遠いアマゾンが、自分のこころの中にもあることを感じて頂きたいと思います。

◆講演会「アマゾンからの伝言」のお知らせ
講演:熱帯森林保護団体(RFJ)南研子代表
とき:2017年2月15日(水)18:30~20:00(受付18:15~)
ところ:銀座ブロッサム7階(東京都中央区銀座2-15-6)
参加費:2000円
詳しくは⇒ http://www.mssystem.co.jp/event.html

editor

オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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