編集長コラム)
トランプ米大統領は6月1日、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から米国が離脱すると発表した。これに対して、山本公一環境大臣や経団連の榊原定征会長など政財界の首脳や環境系のNGO/NPOからは非難の声が一斉に上がった。だが、日本にトランプ大統領を非難する資格はあるのだろうか。(オルタナ編集長 森 摂)
トランプ大統領の離脱声明の翌日、閣議後の記者会見で、山本公一環境大臣は「やっとここまできたという人類の英知に背を向けた今回のトランプ大統領の決定には大変な失望を覚えている」と批判した。
日本経済新聞によると、経団連の榊原会長は「米国の温暖化対策は地球規模での温室効果ガス削減を進める上で極めて重要」と指摘。「米国には引き続き国際社会における責任を果たして頂きたい」と求めた。
日本商工会議所の三村明夫会頭も「米国なしの協定は効果を大きく減殺する。日本を含め国際社会が米国を引き留める努力を続ける必要がある」と述べ、政府に一層の関与を求めた。
だが、本当に日本はトランプ大統領を非難する資格があるのだろうか。こう書くのは、日本の政界も産業界も、真剣に温暖化対策を進める覚悟があるのか疑わしいからだ。