自分の好きなことが世の中の仕事につながっていることを発見する「すきなものビンゴ&お仕事マップ」など。子ども向けだけではなく、大人を対象とした教育研修、企業研修プログラムも生まれた。こうしたプログラムは当初、川崎市内の学校で提供されていたが、首都圏を中心に全国各地の学校や自治体、企業でも採用されるようになり、これまで延べ3万人以上の子どもと、5,000人以上の大人が受講している。

「すべてに共通するのは、自分を知るということと、社会を知るということです。業界や国の枠を越えていろいろな人と協働する時代に必要とされるのは、自分が何者であるかを語る力です。自分を知っているからこそ、社会の中で自分を活かせるようになるのです」
とはいっても、自分を知るというのは簡単なことではない。大人でも難しいことなのに、どうやって子どもに自分を知ってもらうのだろうか。
「誰かに『こうあるべき』と言われた枠に収まっている時は、本当の自分ではありません。自分が素直に楽しいと思っている時、大切にしたいと思っていることに気づいた時に、本当の自分が見えてくるのだと思います。そういう時は心がわくわくして動き出さずにはいられませんよね。人間が能動的になるこの原動力を、私は『わくわくエンジン』と名付けました。それを見つけることができれば、自分のエネルギーをどこに向ければいいのかが分かり、自信を持って進みたい方向に進めるようになります。このわくわくエンジンはどんな人にも必ずあるもので、それを探すことが私たちのプログラムの根幹でもあります」

キーパーソン21の事業が世の中に与えるインパクトも年々大きくなっていった。2017年1月には、経済産業省主催の「第7回キャリア教育アワード」中小企業の部で最優秀賞を受賞。そして3月に、日本コカ・コーラが主催した女性活躍推進プロジェクト「第2回 5by20女性起業家支援シンポジウム」では、朝山さんが「先輩起業家」の一人としてパネルディスカッションに登壇している。