「私たちの教育プログラムでは、キャリアとしての起業家の魅力も伝えていますが、組織自体は小さいのでできることは限られています。5by20という規模の大きな活動をしている日本コカ・コーラといっしょになって起業家養成に取り組むことで、日本で起業する人が増えるといいですね」
5by20とは、コカ・コーラシステムが進めている、2020年までに世界で500万人の女性がビジネスに積極参加するための支援をするプロジェクトだ。日本コカ・コーラも、お茶の生産に携わる農家の女性を対象にした研修会や、農家同士の交流の場を提供するネットワーキングなどを開催している。朝山さんも登壇した女性起業家支援シンポジウムは、起業もキャリアの一つであることを意識してもらうために開かれたもので、参加者の中にはイベント終了後もその場に残って先輩起業家から話を聞く熱心な人もいたという。
「私は起業するという働き方があることを知ってもらいたいと思う一方で、イノベーションというのは起業家だけが起こすものではないとも思っています。これからの時代は、会社や学校、自治体などで働くすべての人が、小さくても自分のイノベーションを起こし続けてほしいと思っています。多様性が高まる“ごちゃまぜの時代”に大事なのは、どれだけわくわくして、主体的に動けるかということです」
今はわくわくエンジンを全国に普及させようとわくわくしている朝山さん。その目標が「大きすぎる」という人はもういないだろう。

◆「5by20」の取り組みに寄せて
内閣府男女共同参画局 大川内由美子さん
コカ・コーラが進める「5by20」は、世界でも他に類を見ない規模の取り組みであり、その一環で日本コカ・コーラが開催した女性の起業支援シンポジウムは、本来の目的に加え、女性のエンパワーメントのひとつのあり方を日本の企業に提示する上でも、すばらしい取り組みです。私もシンポジウムに参加しましたが、起業について基礎から実務まで学ぶことができ、さらに先輩女性起業家とネットワーキングもできるなど、充実した内容で刺激を受けました。参加された起業を目指す女性も、大いに勇気づけられたのではないでしょうか。
女性が自らの希望に応じ、個性と能力を十分に発揮できる社会を実現する上で、女性の起業は重要です。また、女性起業家の活躍は、社会にイノベーションをもたらします。内閣府男女共同参画局でも、女性の起業を支援する取り組みとして、起業事例や相談機関、創業時に受けられる低利融資などに関する情報を「女性応援ポータルサイト」などで発信しているほか、女性起業家と大企業・中堅企業との取り引き拡大に向けたビジネスマッチングのイベントも開催しています。
国と民間が協働することで、より質の高い女性起業家支援が可能になると思います。それぞれの強みを活かしながら、ともに、女性が活躍する社会の実現に貢献していきたいですね。

女性のエンパワーメント原則(WEPs)は、国連グローバル・コンパクト(GC)と国連婦人開発基金(UNIFEM/現 UN Women)が共同で作成した7 原則。企業がジェンダ一平等と女性のエンパワーメントを経営の核に位置付けて自主的に取り組むことで、企業活動の活力と成長の促進を目指している。2014年、ザ コ力・コーラ カンパニーはWEPsのリーダーシップアワードを受賞した。
*この記事は、日本コカ・コーラ(株)のCSRサイトから転載しました。