「ブロックチェーン」と「印鑑文化」の仁義なき戦い

遺言状をつくったり企業の定款を認証したりする「公証役場」についての記事が最近、朝日新聞の1面に載った。公証人が裁判官や検察官のOBで占められ、この16年で民間人(司法書士など)の採用はわずか4人だったという。(オルタナ編集長・森 摂)

そもそも「公証役場」に行った人は多くないのではないか。だいたい駅前の雑居ビルの3階とか5階にあって、看板も小さいので気が付かない人も多いだろう。

私は、以前設立した一般社団法人の定款認証のために一度行ったことがある。「元裁判官」だと言っていた公証人がまあまあ丁寧に教えてくれ、スムーズに認証をしてもらった。ただ、やたらめったら印鑑を押させられ、やっぱり日本は印鑑が最強のツールなのだなと改めて意を強くした。

「全国300カ所の公証役場で497人が働く。制度上の定員は約670人。定款認証などの手数料収入は全国平均で1人あたり年間約3千万円。この3~7割の金額が経費として支出されているという。定年は70歳。一件5万円の認証手数料は高いとの批判もある」(朝日新聞記事から)

ところで最近、話題のブロックチェーンは「分散型台帳技術」と呼ばれ、仮想通貨だけでなくいろいろな使い道がある。定款や登記簿もいわば台帳なので、まさにブロックチェーンにもってこいだ。

このほか、土地の登記簿、住民票、納税関係、自動車の登録簿、病院の処方せん、年金記録から家計簿に至るまで、私たちの生活には、とても多くの「台帳」が存在している。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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