■「地球上の石灰岩がすべて熱分解すると気温300度上昇」

デザイン情報サイト「JDN」のインタビュー記事で同社社員がこう話している。

(ここから引用)「一般的な紙の製造過程には、大量の木と水が使われます。たとえば紙を1tつくるには、約20本の木と、約100tの水が消費されるんです。森林伐採や水危機リスクは地球規模で問題となっていることからもわかるように、このままではいつか、木と水資源が枯渇してしまうことは明らかです」

「そんな状況だからこそ、『石』を使うのがいい。どこの国でも普遍的にある資源ですし、将来的にみてもなくなることはまずないでしょう。日本でも約240億tの埋蔵量があり、つねに安価で入手できる、とても安定した素材なんです」(引用終わり)

確かに、石灰石(石灰岩)は地球上に豊富にあり、日本でも自給できる。だが、石灰石(CaCO3)に由来する製品を焼却した場合、必ず二酸化炭素(CO2)が発生する。さらには石灰石ペーパー類には石油由来の樹脂が含まれているので、そこから出るCO2も勘案しなければならない。

もちろん紙を燃やしてもCO2は発生するが、その由来は植物なので、もともと大気中に存在したCO2が大気に戻るだけだ(「カーボンニュートラル」の考え方)。だが、石灰石は化石燃料と同様、地中に埋まっていたものなので、燃やせば燃やす分だけ大気中のCO2が増えることになる。

石灰石ペーパーは寿命が長いため、廃棄や燃やす必要性が少ないとの意見もある。だが、図書館蔵書など長期保存される紙類は別として、日常生活で使われる紙類はいずれゴミ箱に行くのは必然だ。

「地球上の石灰岩がすべて熱分解したと仮定すると、気温が300度上昇するといわれる」(地球大紀行2;日本放送出版協会, 1987)。もちろん石灰石ペーパー類だけでそのような状況になることは考えられないが、その「温室効果」を甘く見てはいけない。

緊急連載「石灰石ペーパー類」は本当にエコか(中)
「石灰石ペーパー類」の環境負荷は本当にエコか(下)

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