味の素社長「新型コロナと闘う人のウエルネス実現」

味の素の西井孝明社長は27日、2020年3月期決算説明会で、「COVID-19と闘う人びとのウエルネス実現にワンチームで全力を尽くす」と「COVID-19との闘い」を宣言した。「多くの人びとが『健康的な新しい生活』を求めるうねりをチャンスに変える」と強調。具体的には「健康価値製品の充実」や「在宅向け販売チャネルの強化」などに取り組む。(オルタナ総研コンサルタント=室井孝之)

西井社長は、新型コロナウイルスとの闘いについて、「2020-2025中期経営計画の本格スタートという時に、新型コロナの影響を受け、3月終盤から2カ月間は、感染から社員を守り、生産活動を止めないことに現場はかかりっきり、言わば防衛戦だった。ようやく日本、アセアン諸国は、コロナと共存しつつ社会・経済活動を再開するステージに入った。事業継続できることへ深く感謝している」と語った。

味の素グループは、「新型コロナウイルス企業継続基本計画」を定めている。優先順位は「1.従業員およびその家族の安全確保」「2.地域・社会への貢献」「3.事業活動の継続(お客様へ製品・サービスを届ける)」だ。

「従業員およびその家族の安全確保」では、「従業員・工場入場者の健康管理の徹底」「全世界の生産現場で事業継続のために必要なマスク・消毒剤の手配」「生産現場でのソーシャルディスタンス確保」を定めている。

世界中の生産現場では、一定期間の生産調整も余儀なくされたが、従業員やパートナーが、医療・生活必需製品の生産を必至に守り続けている。

「地域・社会への貢献」では、日本国内では、WEBサイト「AJINOMOTO PARK」による毎日の「おいしい」食卓づくりのサポート、新型コロナウイルス感染症に関して知的財産を無償で使用できる宣言への参画、医療従事者への商品提供などを行っている。

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室井 孝之 (オルタナ総研フェロー)

42年勤務したアミノ酸・食品メーカーでは、CSR・人事・労務・総務・監査・物流・広報・法人運営などに従事。CSRでは、組織浸透、DJSIなどのESG投資指標や東北復興応援を担当した。2014年、日本食品業界初のダウ・ジョーンズ・ワールド・インデックス選定時にはプロジェクト・リーダーを務めた。2017年12月から現職。オルタナ総研では、サステナビリティ全般のコンサルティングを担当。オルタナ・オンラインへの提稿にも努めている。執筆記事一覧

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キーワード: #新型コロナ

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