ネスレのマーク・シュナイダー最高経営責任者(CEO)は9月21日、「今後3年間でマレーシアに300万本の木を植える」ことを表明した。「2050年温室効果ガスゼロ排出達成計画」の一環で、国際NGO「クライメート・グループ」が、国連とニューヨーク市の協力を受け開催した「第12回クライメートウィ―クNYC」で明らかにした。ネスレ以外ではウォルマートなどの表明があった。(オルタナ総研コンサルタント=室井孝之)

シュナイダーCEOは、世界の政治家、ビジネス、NGO、専門家が気候変動対策を議論するクライメートウィ―クNYC(9月21日~27日)の関連イベント「ウォルマート・サステナビリティ・マイルストーン・サミット」の中で「2050年温室効果ガスゼロ排出量達成」に向けて「地球により良い戦略を策定する。100%再生可能電力を調達し、サプライチェーン内の炭素を除去する自然ベースのソリューションを拡大する。400万スイスフラン(約4.5億円)を投資し、今後3年間にパーム油の大産地であるマレーシアに300万本の木を植える」と語った。
ウォルマートはネスレなどのサプライヤーと共に、2030年までにサプライチェーンから排出される温室効果ガスを1ギガトン(10憶トン)削減を目指す「プロジェクト・ギガトン」を立ち上げており、2019年には2,000万トンのCO2を削減したと表明した。
ネスレの植樹計画の背景には、共通価値の創造(CSV)を事業活動の根幹と捉え、社会的な課題と同時に株主に持続可能な価値を創造する基本的な考えがある。
共通価値の創造(CSV)に向けてネスレは、「個人と家族」「コミュニティ」「地球」という3つの分野に注力して活動しており、3つの分野に対し2020年末までに達成すべき36のコミットメントを掲げている。
3つの分野へのコミットメント