生木の「クリスマスツリー」はサステナブルか否か

数カ月使うために木を切る生木のツリーだが、プラスチック製よりも環境負荷は圧倒的に少ない。米国のプラ製ツリーの85%以上が中国製だ。そのほとんどが、多くの環境団体が使用のボイコットを訴えるポリ塩化ビニル(PVC)を使用している。生産過程ではもちろん、輸送にも二酸化炭素が発生する。「(プラ製ツリーは)何度も使える」とエコを主張する関係者もいるが、全米クリスマス協会によると、プラ製ツリーの平均的使用期間は6年~9年だ。その後、半永久的にゴミとして地中に残ることを考えれば、重すぎる環境負荷である。

生木のツリーは野菜や果樹同様、農産品だ。樹木農場では、ツリーの出荷までに約8年~10年を費やす。その間、樹木は二酸化炭素を吸収し、酸素を排出する。その育成は水と土壌を守り、複雑なエコシステムを支える役割を担う。さらに使用後は、大きなエネルギーを用いることなくリサイクルできる資源でもある。そして、最後は土に還る。

子どもたちにとっては、これも冬の風物詩。家族みんなで選んだ木をみんなで運ぶ (写真提供=Yuri Baxter-Neal)
midoriyamanaka

山中 緑・米ポートランド

北海道オホーツク育ち。ローカル新聞社を経営する両親のもと、地域の産業や街づくりを身近に感じて育つ。海は冬になると氷が流れてくるものだと思っていた。札幌の短大を卒業後、タウン誌の編集部勤務を経て1999年に単身渡米。アートセンターカレッジオブデザインにてコミュニケーションデザインを学び、学士号取得。デザインをベースとしたコミュニケーションの仕事に従事。2007年に独立。2013年に帰国するも、2018年に不登校の娘と二人で再び渡米。シングルマザー。執筆記事一覧

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