数カ月使うために木を切る生木のツリーだが、プラスチック製よりも環境負荷は圧倒的に少ない。米国のプラ製ツリーの85%以上が中国製だ。そのほとんどが、多くの環境団体が使用のボイコットを訴えるポリ塩化ビニル(PVC)を使用している。生産過程ではもちろん、輸送にも二酸化炭素が発生する。「(プラ製ツリーは)何度も使える」とエコを主張する関係者もいるが、全米クリスマス協会によると、プラ製ツリーの平均的使用期間は6年~9年だ。その後、半永久的にゴミとして地中に残ることを考えれば、重すぎる環境負荷である。
生木のツリーは野菜や果樹同様、農産品だ。樹木農場では、ツリーの出荷までに約8年~10年を費やす。その間、樹木は二酸化炭素を吸収し、酸素を排出する。その育成は水と土壌を守り、複雑なエコシステムを支える役割を担う。さらに使用後は、大きなエネルギーを用いることなくリサイクルできる資源でもある。そして、最後は土に還る。