■これからの世代には、もう聞かせたくない
村木真紀・認定NPO法人虹色ダイバーシティ代表
2014年のソチ五輪では、ロシアで同性愛宣伝禁止法ができたことを受け、世界中でボイコット運動が起きました。そうした経緯があり、オリンピック憲章の差別禁止規定に、性別に加え「性的指向」が追記されています。この流れの中で計画された2020年の東京五輪は、ダイバーシティ&インクルージョンを目標に掲げており、多様性を祝福する大会になることを期待していました。
しかし、森氏の発言と、それを止めることができなかった組織のありようは、女性への抑圧とマイノリティへの無理解という、私たちの社会の抱える課題が未だ解決されていないことを、世界に開示する結果となりました。
私は、日本のあらゆる意思決定の場に、一定割合の女性と社会的少数者(障害者、LGBT、若者など)の席を設けることを提案します。今、すぐに、です。私は女性かつ性的マイノリティという立場で、未来への希望が奪われるような発言を、ずっと聞いて育ってきました。これからの世代には、もう聞かせたくないのです。