本ガイダンスでは「企業がこれらの6項目から成る枠組みを基礎としつつ、自社にとって固有の価値創造ストーリーを作り上げ、・・(投資家や金融機関と)理解を共有することが重要である」と説明されています。

「自社にとって固有の価値創造ストーリー」とは「自社のマテリアリティを軸とする価値創造ストーリー」と言えます。

企業の情報開示において、マテリアリティを軸とする価値創造ストーリーを作り上げることの重要性は、サーキュラー・エコノミーに係る取組に限らず、社会価値と経済価値の同時実現を目指すサステナビリティ経営全般についても同様です。

現在、中長期の価値創造ストーリーの枠組みについてはIIRC統合報告フレームワークがあるものの、企業が十分に咀嚼し切れているとは言えません。

本ガイドラインが提示する6項目は、企業が中長期の企業価値向上に向けた取り組みをステークホルダーに説得力のあるストーリーとして開示・対話するための簡潔で分かりやすい枠組みになっていると思います。

企業は、自社のサステナビリティ経営におけるマテリアリティを特定し、その解決または実現に向けた取り組みと成果を、価値観(存在意義、企業理念、ビジョン等)を柱とする上記6項目に沿って中長期の価値創造ストーリーとして開示・対話することが期待されます。

遠藤直見:
東北大学理学部数学科卒。NECにてソフトウェア開発、品質企画・推進部門を経て、CSR/サステナビリティ推進業務全般を担当。国際社会経済研究所(NECのシンクタンク系グループ企業)の主幹研究員としてサステナビリティ経営の調査・研究に従事。現在はフリーランスのサステナビリティ経営研究家として「日本企業の持続可能な経営のあるべき姿」についての調査・研究に従事。

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