改めて見直したい「バナナ」の本当の価値

【連載】フェアトレードシフト

「特続可能な価格を支払うことなく、サステナビリティの実現などあり得ない」――。2019年2月、ドイツ・ベルリンで開催された果実・野菜の国際見本市の一角で、エクアドルの農林水産大臣をパネリストに迎え、バナナをテーマに熱い議論が交わされた。

日本にはフィリピン産に次いで2番目に多く輸入されているエクアドル産バナナだが、生産者の70%は中小規模農家というエクアドル国内では、200万人以上がバナナ産業に従事していることもあり、バナナの持続可能性は重要課題だ。

バナナというと、日本でもスーパーマーケットの入口の目立つところに陳列され、目玉商品として安値で客足誘引の商材として位置付けられることも多い。その低価格は、バナナの生産者を苦しめてはいないのだろうか。

「いまドイツでは大手4社のスーパーマーケットのうち3社が、バナナの小売価格を下げようとしている。これはもはやスキャンダルだ。価格競争は、特に小規模農家に深刻な影響をもたらし、生活を脅かしている」と国際NGOオックスファム・ドイツのフランク・ブラセル事務局長代理が警鐘を鳴らした。

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nakajimakaori

中島 佳織(認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン事務局長)

化学原料メーカー勤務、国際協力NGOでアフリカ難民支援やフェアトレード事業への従事、日系自動車メーカーのケニア法人勤務を経て、2007年より現職。グリーン購入ネットワーク理事。共著に『ソーシャル・プロダクト・マーケティング』(産業能率大学出版部)など。

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キーワード: #フェアトレード

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