【連載】社会イノベーションとお金の新しい関係

SDGsが日本の経済界で、特に大企業を中心に関心が高まってきている。2030年までに先進国を含む世界すべての国が目指す社会像を指標化して示しているこのSDGsについての認知は少しずつ広がりつつあるが、その達成のためには年に5〜7兆ドルの資金が不足していると国連があわせて発表しているということはあまり知られていない。

国連は、行政資金だけではSDGsの達成は困難で、民間の資金を含めた多様な財源を動員しなければこの目標は達成できないと明言しているのである。そうした中、注目されているのがESG投資や社会的インパクト投資などの「社会の課題解決に資する投資」という概念だ。

ESG投資は投資をする際に、環境(environment)、社会(social)、企業統治(governance)に配慮している企業を重視・選別して行う投資のことである。日本でもGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がESG投資を始めたことで、上場企業のSDGs推進への関心が高まることにつながった。

他方で、「社会的インパクト投資」とは、そこから更に踏み込んで、「社会によいインパクトをもたらしている」かどうかを成果評価することを前提とした投資で、経済的リターンと社会的リターンの双方を生み出す投資先を選定しようという投資行動である。

このほど世界銀行グループのIFC(国際金融公社)が「インパクト投資原則」を発表した。彼らが目指しているのは、年金基金も含めた世界の投資の「社会的インパクト志向化」にある。「投資」の世界の常識を一段階進化させようという挑戦である。