日本消費者連盟(日消連、東京・新宿)は2月末、ゲノム編集した種苗の表示義務を求める署名運動を開始した。農水省は昨年12月、ゲノム編集したトマトの栽培と流通を許可したが、ゲノム編集作物の安全性に疑問を投げかけた形だ。種苗に表示義務がないので、そうと知らずに農家が栽培し、できた作物を消費者が口にする可能性も高いという。(編集委員・羽生のり子)

有機栽培されたトマト ©Takioka Kentaro

署名運動を開始したのは日消連と、任意団体「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」だ。

きっかけは政府が昨年12月、ゲノム編集したトマトの栽培と流通を許可したことだった。開発したのは筑波大学と同大学発のベンチャー企業、サナテックシード社(東京・港)。G A B Aの量を制限する遺伝子を壊すことで、血圧上昇の抑制効果が望める高G A B Aトマトを開発した。5月からタネを無償配布するため希望者を募集したところ、2月26日までに5000件以上の応募があった。

署名運動の2団体が危惧するのは、ゲノム編集した種苗や食品には表示義務がないことだ。サナテックシードはトマトのタネを無償配布するので、ゲノム編集したトマトが何の規制もないまま広がる危険性がある。普通のトマトのタネと思って農家が知らずに栽培する可能性が出てくる。

特に、遺伝子組み換え作物を栽培することができない有機農業にとっては致命的だ。遺伝子組み換えは別の生物の遺伝子をゲノムに組み込み、新たな性質を付加する技術。ゲノム編集は、特定の遺伝子を切断して遺伝子の働きを変える技術で、これまでの遺伝子組み換えとは違うが、遺伝子操作であることには変わりがない。

欧州ではゲノム編集は新たな遺伝子組み換えであるとして、環境保護団体や農業団体が数年前から強く反対している。

ゲノム編集した作物は安全性も環境への影響も確認されていない。知らないうちに広まり、農家が栽培したくないものを作らされ、消費者が食べたくないものを食べさせられていたことにならないよう、2団体は種苗への表示義務を求めている。

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