5月26日に成立した改正地球温暖化対策推進法では、「2050年脱炭素社会」を基本理念とし、その実現に向けて、国民、国、自治体などが密接に連携することが規定された。自治体が再エネ促進区域を設定できるようになり、再エネの導入を加速していく。脱炭素社会への勢いが増すなか、あるオンラインシンポジウムが行われた。テーマは、「資源循環経済」。地域資源を活用した再生可能エネルギー開発を軸に資源循環型社会を目指す自治体の担当者が効果や課題などを話し合った。(オルタナS編集長=池田 真隆)

オンラインシンポジウムの様子

再生可能エネルギーで資源循環型社会を目指す日本サステイナブルコミュニティ協会は5月27日、オンラインシンポジウムを開いた。登壇したのは、木質バイオマスやスマートグリッドを導入している自治体の担当者ら。

同協会は2018年2月にできた一般社団法人で、代表理事は東京大学公共政策大学院客員教授で日本郵政社長の増田寛也氏が務める。自然エネルギーの開発を通して地域創生に取り組むことに共感した、企業や自治体が加盟している。

日本の中央集権型のエネルギー政策では、地域が支払うエネルギーコストが地域外のエネルギー事業者に出ている。同協会では、この現状を課題とし、 地域の中でエネルギーを生み出し、地域の中で使う「域内消費モデル」を目指す。

昨日成立した改正地球温暖化推進法では、「2050年脱炭素社会」を基本理念とし、その実現に向けて、国民、国、地方自治体などが密接に連携することが規定された。

シンポジウムに最初に登壇したのは総務省の酒川高志・地域力創造グループ地域政策課企画第二係長。分散型のエネルギーインフラプロジェクトの立ち上げ方について説明した。

昨年10月の菅首相の2050年カーボンニュートラル宣言により、社会づくりは脱炭素にシフトした。酒川氏は、「2050年脱炭素を目指す上で、分散型エネルギーはカギだ」と強調した。自治体向けにマスタープランの策定の手順や今年度の補助事業などを説明した。

その後、エネルギーインフラプロジェクトの先進事例として鳥取県鳥取市、山形県最上町、北海道士幌町の各担当者が登壇。

鳥取市では、地域一体でアライアンスを組んでエネルギーの地産地消に取り組む。同県では2014年にマスタープランを策定していたが、「国がSDGsの推進に力を入れ出したので、策定当時に実現できなかった熱供給やエネルギーマネジメントに取り組めるようになった」(経済観光部経済・雇用戦略課の古網竜也氏)。

人口6000人の北海道士幌町は、脱炭素スマートグリッドの構築に取り組む。日照時間が長いことを活かして、太陽光発電に力を入れる。森林が8割を占める山形県最上町では家畜糞尿などを使った木質バイオマス熱供給で、エネルギーの地産地消を目指している。

シンポジウムの最後には、登壇者全員がパネルディスカッションに参加。進行は、同協会副代表理事の乾正博(シン・エナジー社長)が務めた。マスタープランを策定することになったきっかけや必要性、課題などについて話した。