web絵本 第3話:足りない資源とあふれるゴミ

長年にわたり子どもたちに寄り添ってきたギンザのサヱグサが、環境問題やSDGs(持続可能な開発目標)を親子で楽しく学ぶための物語をお届けします。

子どもたちが「気候変動」「ごみ問題」「生物の話」「食と水」「大気汚染」について、かわいいイラストを見ながら楽しく学べる内容となっています。小さなお子さまには読み聞かせしながら、この物語をお楽しみ頂ければと思います。

この物語の主人公は、森に住む小さなフクロウ王子。おじいちゃんの王様フクロウと仲間たちが、自然界や人間の営みを見せながら、フクロウ王子の疑問にやさしく答えてくれます。今回は、”ごみ問題”がテーマです。フクロウ王子が「資源の大切さ」について学びます。

ギンザのサヱグサは、1869年(明治2年)創業。「子どもたちのためのスペシャリティストア」として、子どもたちの感性を豊かに育むお手伝いを続けてきました。2012年、「SAYEGUSA GREEN PROJECT」をスタート。「Earth for Children 〜豊かな地球を子どもたちへ〜」というテーマを掲げ、環境・社会活動にも取り組んでいます。www.sayegusa.com

第3話 足りない資源とあふれるゴミ(ごみ問題 第1話)

©︎2012-2021 SAYEGUSA Inc.
illustration ©️ 2012-2021 uyo takayama 
「私的使用のための複製など一部を除き、無断転載・引用を禁じます」

フクロウ王子は、自分の羽のようにふわふわとしていてとてもあたたかいコットンが大好きです。だから、よくコットン畑がみわたせる木に飛んでいき、農作業を見学します。

腰をかがめて苗を植えつける作業、真夏に汗をふきながらおこなう雑草取り、はじけたコットンを一つずつつみ取る作業など、大変な作業がつづきます。

ある日、農家の人に「コットンはそだてるのが大変ですね」と、話しかけました。

農家の人は、「ああ、大変だよ。収穫したあと、綿から種をとりだす、わたくり作業がまっているんだ。でも、あたたかいふとんや、柔らかいシャツができるのをまっている人がいるから、大切に育てないといけないんだよ」と話してくれました。

巣にもどってきたフクロウ王子から、農家の話をきいた王様フクロウは「コットンのふとんは、とても長くつかえるから、すばらしい資源なんじゃよ」と言いました。

資源という言葉をはじめて聞いたフクロウ王子は、王様フクロウに「資源ってなに?」と聞きました。

すると王様フクロウは、「資源は人間の生活に必要なものをつくるための材料のことじゃが、足りなくなってしまった資源もたくさんあるんじゃよ」と、説明してくれたのです。

コットン農家が、毎年、苦労してコットンを作っていることを知っているフクロウ王子は、「でも、大変だけれど、コットンみたいに作ればいいんじゃないのかな」と聞きました。

王様フクロウは、遠くにみえる鉄橋を羽でさし、「たとえば鉄じゃ。地下ふかくに埋まっている石 (※)から作るんじゃが、その石がふえるスピードよりも、人間が利用するスピードか早いから、たりなくなっているんじゃよ」と答えました。

※地下深くに埋まっている石=鉄鉱石のことです。鉄鉱石をはじめ、自然界から採取できる資源の多くは、「枯渇性資源」と呼ばれています。長い歳月をかけてできるのに対して、人間が使う速度が速いため、枯れる心配があることから、このように呼ばれています。

フクロウ王子は、遠くの町をみわたすように首を左右にまわしがら、「じゃあ、いつかは何も作れなくなって、街はボロボロになってしまうね」と、不安そうに言いました。

王様フクロウは、「そうならない方法を人間も考えていると聞いたことがあるぞ。使いおわったら捨てることを続けていると、資源は早くたりなくなってしまう。それにごみが増えて、人間にとっても大切な森をきりひらき、北の谷にできたような大きなごみ捨て場 (※)をたくさん作らなければいかんからな」と言いながら、考えごとをするかのように目を閉じました。

フクロウ王子は、人間がどんなことを考えているのか、とても気になりました。そこで、街のことに詳しいカラスをたずねて聞いてみることにしたのです。


※大きなゴミ捨て場=リサイクルができず、ゴミにするしかないものを埋め立てる最終処分場のことです。

次回は、”ごみ問題”の第二話「ごみを増やさないための大切な言葉」です。お楽しみに。

前回のお話