CCCマーケティングは3月30日、食品のエシカル(倫理的)度を測る「エシカルフード基準」を作成したことを発表した。食品メーカーが基準に沿って自己採点し、CCCは「エシカルフード」と判断した商品をCCCデータベースの商品マスタに反映し、推薦する。T会員には、購買履歴に基づき「エシカルフードアクションスコア」が付与され、貢献度が可視化されるシステムだ。2023年春をめどにベータ版の運用を開始する予定だ。(オルタナ副編集長=吉田広子)

「エシカルフード基準」記者発表会で
「エシカルフード基準」記者発表会で

CCCが作成した「エシカルフード基準」は、認証ではなく、エシカルフードを消費者に「推薦」する仕組み。7000万人いるT会員に「エシカルフードアクションスコア」を提供することで、生活者、メーカー、流通など、ステークホルダーが一体となって「持続可能な食の未来」を実現することが目的だ。

開発の経緯について、CCCマーケティングの北村和彦社長は、「Tカードに関して、個人のデータをビジネスに活用することについて批判的な声もあった。企業がデータを抱え込むのではなく、社会に還元していくことが重要だと考え、共創型プラットフォーム『Tカードみんなのエシカルフードラボ』を設立し、その一環で『エシカルフード基準』を作成した。T会員にポイントのインセンティブを与えるだけではなく、データでつくった価値を社会に還元していく方向に舵を切った」と説明する。

CCCは、7000万のシングルID、35億件のトランザクション、65億の商品点数を持つという。

今回作成したエシカルフード基準は食品メーカーに提供し、自己採点をしてもらう。基準に則って「エシカルフード」と判断した商品をCCCデータベースの商品マスタに反映し、ウェブサイトなどを通じて消費者に推薦する。

「エシカルフード基準」実装までの流れ
「エシカルフード基準」実装までの流れ

T会員は、「エシカルフード」リストなどを参考に自主的にエシカルな商品を選ぶことができるほか、自動的に購買履歴にエシカルスコアが付与されるので、本人が意識しなくても、貢献度が可視化される。

エシカルフード基準には、「企業評価」と「フード評価」の2つがある。企業評価では、「環境」「動物」「人・社会」「政治」の大項目の下に、15の中項目、37の小項目、さらにそれぞれの基準が並ぶ。

例えば、大項目「人・社会」には、「人権」の中項目、小項目として「国際基準に基づいた人権保護のための方針がある」があり、その基準の一つに「国際基準に基づいた人権方針があり、方針に基づいた取り組みについて自組織で評価を行い、その結果を公開している」がある。

フード評価は、「調達」「包材」の大項目に、8の小項目、それぞれの基準で構成される。しきい値をすべて満たした商品が「エシカルフード」となる。

CCCマーティングの瀧田希・「Tカードみんなのエシカルフードラボ」プロジェクトリーダーは、「すごくエシカルな人が100人いるよりも、たまにエシカルな人が1000人いる方がソーシャルインパクトは大きい。7000万人の生活基盤とつながっているCCCだからこそ、消費者に毎日の買い物のなかで『エシカル』を考えてもらい、社会を良くするきっかけづくりをしていきたい」と話す。

ウクライナ情勢を巡って、持続可能性を評価する国際認証機関は、ロシアやベラルーシ産の認証を停止する動きもある。こうした世界情勢の変化があった場合は、「有識者と対話しながら、基準を更新していきたい。その対話のプロセスも公開していく」(瀧田プロジェクトリーダー)という。

策定にも携わった立教大学21世紀社会デザイン研究科の河口真理子特任教授は「Tカードというだれでも知っている媒体を使って、消費者に『エシカル』について伝えていく意義は大きい。消費生活全体のエシカルを底上げしていくことにつながる」と評価した。