スタバCEO、「脱プラ」推進は「共感」がカギ

スターバックス コーヒー ジャパンCEO 水口 貴文

世界に33000店以上、国内でも1600店を展開するスターバックスが環境対応を進めている。最大テーマはプラスチックごみの削減だ。マイストローなど環境配慮型の飲用スタイルへの移行を促すが、そのカギは「共感」にあるという。(聞き手・森 摂=オルタナ編集長、池田 真隆=オルタナS編集長)

サステナビリティの取り組みには「楽しさ」が必要と強調する ©Ben Yamaguchi

─繰り返し使えるシリコン製のストロー(990円)は数日で完売したそうですね。アイスラテなどの容器もプラ製容器からFSC認証紙に切り替えました。

慣れ親しんだカルチャーを変えるには、共感を得ながら広めていくことが大切です。プラから紙に切り替えたことで、賛同の声を頂きましたが、紙に変えたことに一定の違和感を持つ人もいました。

そのような違和感を少なくするには、パートナーからの声掛けが欠かせません。私たちはアルバイトを含めて店舗スタッフを「パートナー」と呼んでいます。大切なのは、「切り替えたこと」よりも、「切り替えた意味」を広げることです。共感を持ってもらうには、楽しく提案することが重要です。

コーヒー豆も持続可能な調達モデルを導入していますが、エシカルな調達基準についても、パートナーから目の前のお客さん一人ひとりに合った説明がカギとなります。

─一般的に、店舗には接客マニュアルがあるのですが、スターバックスの店舗にはマニュアルがないそうですね。

確かに、マニュアルもないし、一人ひとりが違う接客をすることを許容しています。ですが、パートナー全員に共通しているのは、「企業理念」に則っていることです。企業理念では、「コーヒーで心を豊かにすること」と定めています。

目の前のお客さんが何を求めているのか、どうすれば満足してくれるのか、一杯のコーヒーの提供を通して、価値を提供しているのです。スターバックスのサステナビリティの最大の強みは「人」だと自負しています

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M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナS編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナS編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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