和食店きじま、だしを全量サステナブル鰹節で

きじまがWWFの「火サス」キャンペーンに賛同して提供中のメニュー

和食店チェーンのきじま(横浜市)は6月8日から、和風だしに欠かせない鰹節の全量をMSC認証付きに切り替えた。使用するのは和風調味料大手のヤマキ(愛媛県伊予市)が6月1日に発売した世界初のMSC認証付きの製品。カツオの漁獲量は過去50年で約6倍に増え、持続可能性が危ぶまれている。きじまが選んだ鰹節は、ウミガメなどの混獲の心配もなくサステナブルな一本釣りのカツオ由来であるという。(オルタナ編集委員=瀬戸内千代)

鰹節の「100年企業」ヤマキから調達

横浜を中心に首都圏に6店舗を構えるきじまはサステナブル調達に熱心で、「きじまオーガニックチャレンジ」と題したサイトで目標達成度を公開しており、持続可能な水産物としての国際認証であるMSC認証の魚介類などを積極的に扱ってきた。今回の鰹節の調達先変更も、その流れの中にある。2021年の国連世界海洋デーである6月8日に合わせて使用を始めた。

杵島弘晃・新規事業開発室長は、「鰹節はカツオのタンパク源をそのまま食べるのではなく、加工し、発酵させ、他の食材を引きたてるための副次的な素材として使うという世界的に見ても珍しい食材。カツオが持っている香りやうま味を純粋にして増幅させたもので、和食が求めるうま味の効果を生み出す。私たちにとって非常に重要な存在だ」と語る。

chiyosetouchi

瀬戸内 千代

オルタナ編集委員、海洋ジャーナリスト。雑誌オルタナ連載「漁業トピックス」を担当。学生時代に海洋動物生態学を専攻し、出版社勤務を経て2007年からフリーランスの編集ライターとして独立。編集協力に東京都市大学環境学部編『BLUE EARTH COLLEGE-ようこそ、地球経済大学へ。』、化学同人社『「森の演出家」がつなぐ森と人』など。

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キーワード: #生物多様性

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