山梨県はこのほど、全国の自治体で初となる県独自のアニマルウェルフェア認証制度を策定した。アニマルウェルフェアは動物が精神的にも身体的にも健全でいる状態を指した英国発祥の考え方だ。欧州では機関投資家が投資先を選ぶ基準の一つにアニマルウェルフェアへの対応が挙げられている。同県ではこの認証制度をもとに県内の農家に新たなブランド価値を加えることを狙う。(オルタナS編集長=池田 真隆)

同県が策定したのは、「やまなしアニマルウェルフェア認証制度」という名称の制度だ。認証区分は、エフォートとアチーブメントの2種類ある。畜産動物の健康管理や環境整備など5つの領域においてアニマルウェルフェアの取り組みを計画していることがエフォートの認証基準で、実際に取り組み、成果を挙げた事業者がアチーブメントの認証を得られる仕組みだ。

欧州ではEU指令で、米国・カナダ・豪州では州法による採卵鶏のケージ飼育禁止などアニマルウェルフェアに基づく飼養管理方法を規定している。ネスレやスターバックス、マクドナルドなどは、ケージフリー卵のみを使用すると宣言している。

日本でもアニマルウェルフェアを推進している畜産農家を求める消費者は増えていたが、どのように探せばいいのか分からないという声も出ていた。認証を受けた事業者には、同県からロゴマークが配布され、畜産物の広報に活用できる。

認定NPO法人アニマルライツセンターの岡田千尋代表理事は、「この認証は、アニマルウェルフェアの門戸を広げるとともに、同時に高いアニマルウェルフェアの形も明確に示しています。自治体が世界に通用する畜産の形を示したことは、今後の日本のアニマルウェルフェアの正しい発展を後押しするでしょう」と語った。