動物福祉発祥の英国、法令として確立

■オルタナ本誌59号 FETURE STORY1から

「アニマルウェルフェア」とは、一言で言えば家畜やペットなど人間がかかわりを持つ動物に、死に至るまでできる限り苦痛やストレスなどを掛けないようにすることだ。日本語では「動物福祉」と訳されることが多く、動物愛護や社会福祉などと混乱されることもあるが、英国ではその内容と義務や規制が法令として確立している。 (ロンドン=冨久岡 ナヲ)

英国のスーパーで売られている卵は、ほとんどが「フリーレンジ(放し飼い)」

英国はもともとキリスト教の倫理観を根底にした動物愛護精神が高い国で、そこからアニマルウェルフェアという概念が18世紀ごろに生まれた。

初めての動物虐待防止法が制定されたのは1822年と200年近くも前のこと。対象は牛や羊など限られた種類の家畜のみだった。以来、時代の変化に伴って改正や新法の制定がとどまることなく行われ、焦点は虐待防止から福祉へと発展してきた。

60年代には、人間に飼われる動物が健康で快適な一生を送る権利を謳う「5つの自由」が英国政府によって提唱され、以来福祉は動物の権利も包括することになる。これはまた国際的な動物福祉の理念となっている。

◆「5つの自由」
①飢餓と渇きからの自由
②苦痛、傷害又は疾病からの自由
③恐怖及び苦悩からの自由
④不快さからの自由
⑤正常な行動ができる自由

現在はこの理念の進化系である「5つのプロビジョン」 (人間が提供しなくてはいけないこと)が採択されている。

*この続きは雑誌「オルタナ」59号(第一特集「動物福祉(アニマルウェルフェア)のリスクと機会」、12月17日発売)に掲載しています。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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