■(連載)つなぐ金融

2020年12月2日に成立した改正種苗法が2021年4月1日から施行され、2022年年4月1日からは登録品種の自家増殖が許諾制となる。育種家の権利を保護する流れが強まるなかで、今回、自家増殖するという農民の権利を制限する改正案が施行されることになった。

種苗に知的所有権を付与することで、品種改良を促すのが改正案の狙いだが、一方でそれまで人類の共有財産と考えられてきた種苗が多国籍種苗企業によって囲い込まれ、食料の源である種苗を特定の企業に依存せざるをえなくなりつつある状況を問題視する声が強くなっている。

現在、上位3社で種苗の市場シェアの60%以上が占められている。

農薬や化学肥料を前提とする品種や遺伝子組み換え品種が短期間に導入・拡大する一方で、各地域で長年にわたって育てられてきた伝統的な品種(とその品種に関する知識)が失われていく現状を変えていくために、1996年にドイツで創設されたのが、種苗基金である。

種苗基金の目的は、遺伝子工学・特許・独占がない有機農業のための独自の育種を実現することとされている。有機種苗の新たな品種を生み出すためには、60万ユーロ以上、10 ─15年間を要する。このような育種や研究に助成するために、一般の人々から寄付を募っている。

2000年度に18万5000ユーロだった種苗基金への寄付額は、年に10%前後の増加率を続け、2018年度には約150万ユーロの寄付額になっている。助成を受けた育種によって、約20年間に100を超える野菜の品種と50あまりの穀物の品種が登録されている。

設立者の念頭にあったのは、種苗は本来誰のものかという問いだった。種苗基金の主要な助成先が非営利団体のクルトゥールザート(Kultursaat e.V.)である。

育種は教育に匹敵する任務