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人材活用分野で近年D&I(ダイバーシティー&インクルージョン)の概念が広がっていることは周知だろう。これは「多様性と包摂性」のこと。性別・人種などに関わらず多様な人が組織に参加して活躍できるようにする姿勢をいう。(新語ウォッチャー・もり ひろし)

このD&Iを一歩進めたのがDE&I(ダイバーシティー、エクイティー&インクルージョン)の考え方だ。エクイティーとは「公平性」のこと。「D&Iの導入だけでは公平を実現できない」とする問題意識から加えられた要素だ。
公平性の概念を知るには「平等性」(イクオリティー)と比較すると分かりやすい。
例えば、紙を切る作業のため全作業員に同じハサミを支給するのが「平等性」。しかしそのハサミがすべて右利き用であった場合、左利きの人だけが苦労を強いられることになる。そこで利き手に応じたハサミを個別に支給する対策が考えられるのだが、この状況を作業機会の「公平性」と捉えるわけだ。
DE&Iの具体的制度としては離職者に向けた復帰プログラム、外国語話者に対する研修プログラムなどがある。実は通勤手当も、居住地に関わらない「公平性」を実現する制度と捉えることができる。