ALTキーワード:チーフヒートオフィサー(CHO)

各国でチーフヒートオフィサー(CHO/最高高温責任者)と称する官職を置く地方自治体が現れている。2021年4月以降、マイアミ・デイド(米国)、アテネ(ギリシャ)、フリータウン(シエラレオネ)、フェニックス(米国)といった自治体でCHOの任命が続いたのだ。(新語ウォッチャー・もり ひろし)

CHOとは熱波について部署横断的な対応を行う責任者のこと。守備範囲は熱波を防ぐ取り組み(植樹など)に留まらず、熱波被害に備えた体制づくりにも及ぶ。熱波の被害が真っ先に及ぶ低所得者層への対応も念頭に置く。

近年世界では、熱波による健康被害や災害が増加傾向にある。日本では熱中症警戒アラート(環境庁・気象庁)などを通じてその危険性も比較的によく知られているものの、国際的には周知が十分ではない。世界の公衆衛生関係者は熱波をサイレントキラー(静かな殺し屋)と呼ぶほどだ。

いっぽうCHOを擁する自治体では、熱波がすでに喫緊の課題である。例えばマイアミでは熱波による観光客の減少が懸念されている。またアテネでは2021年夏に熱波を原因とする山火事が相次いだ。CHOの任命はリスク周知の意味でも大きな意味を持つ。