政府は18日、「クリーンエネルギー戦略」に関する有識者懇談会を初めて開催した。「クリーンエネルギー戦略」は、これまで供給サイド重視だった脱炭素の取り組みに併せ、需要側の事業者や個人が経済・社会全体での取り組みを加速するものだ。今後新たなビジネスによる雇用の創出や、投資を促すための施策をまとめる。(オルタナ副編集長=山口勉)

岸田首相は、会合の冒頭で「資本主義の負の側面が凝縮しているのが気候変動問題であり、新しい資本主義の実現によって克服すべき最大の課題だ」と述べた。

さらに次の論点で、方向性を見い出すように指示した。

・送配電インフラ、蓄電池、再エネはじめ水素・アンモニアなど非炭素電源、安定、低廉かつクリーンなエネルギー供給のあり方
・需要側の産業構造転換や労働力の円滑な移動
・地域における脱炭素化
・ライフスタイルの転換
・資金調達のあり方
・カーボンプライシング

気候危機にこれまで以上に取り組むには、化石エネルギー主体の経済・社会構造から、脱炭素型の構造に社会システム全体を変革していく必要がある。

エネルギー基本計画では、2020年10月に「2050年までにカーボンニュートラル」が、2021年4月には「2030年度の温室効果ガス排出46%削減(2013年度比)、さらに50%削減の高みを目指す」という野心的な削減目標が表明された。

2020年12月に発表された「グリーン成長戦略」では、脱炭素や電化など、成長につながる14分野を特定した。成長戦略と脱炭素化を結び付け、民間企業による技術開発や、大規模な投資を促すために、国の具体的な見通しや目標を示すものだが、より具体的な政府の方針が必要とされる。

クリーンエネルギー戦略は、2020年12月に経済産業省が有識者の検討会として始まった。水素や再生可能エネルギーへの転換を促す工程表を、22年6月をめどにまとめる。

事業者、国民一人ひとりが仕事のやり方、自分の強み、生活スタイルを炭素中立型に転換していくための具体的な道筋を示すのがコンセプトだ。

エネルギーの供給サイドに加え、産業など需要サイドの各分野でのエネルギー転換や投資につながるよう、新たな成長分野におけるビジネス・産業の創出への道筋を示す。経済主体の行動変容を促しつつ、社会全体で受け止めるための方策を検討する。

グリーントランスフォーメーション(GX)による再エネや、バッテリー開発など、具体的なビジネスや産業の創出や、GXに資するカーボンプライシングについても議論する。