SDGs、何から始めたらいいのか分からない(2)

■ニック木村の「今さら聞けないサステナビリティ」(21)

「SDGs」「ESG」「CSR」。サステナビリティを取り巻く状況は日々変化し、新たな用語も増えた。そもそもサステナビリティ領域は、どこから理解すれば良いのだろうか。カシオ計算機で約12年間サステナビリティの管理職を務めた「ニック木村」こと木村則昭・オルタナ総研フェローが「今さら聞けないサステナビリティ」の疑問にお答えする。

SDGs、何から始めたらいいのか分からないーーニック木村の「今さら聞けないサステナビリビリティ」(20)はこちらから

SDGs

【A11-2】今回は前回に引き続き「SDGコンパス」のステップ2から説明します。

【ステップ2】自社の優先課題を決定する

17のSDGsの中から自社の事業に対する影響度(正及び負の影響)の高い課題に絞って取り組むことで重点化を図ることができ、効率的・効果的に取り組むことができます。

「SDGコンパス」では影響度の高い課題を特定するために「バリューチェーンにおけるSDGsのマッピング」から入る手法を推奨していますが、これは明らかに大企業向けを想定した手法ですので、中小企業にはマッチしません。そこで、ここでも「さいたま市SDGs推進マニュアル」の内容を紹介します。

・自社の既存の事業・活動を洗い出してSDGsの視点で整理する

同マニュアルの32ページ以降に掲載する「ベーシックSDGsチェックリスト」を用いて、自社のSDGsへの取り組み度合を自己診断する。

・チェック結果を考察することで優先順位をつける

チェック結果を整理することで、自社にとっての経営リスクやビジネスチャンスがどこにあるのかが見えてくる。そこから自社にとって重要で優先度の高い課題を抽出し、優先順位をつける。

・自社の現状と優先課題を社内で共有・議論する

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kimuranoriaki

木村 則昭(オルタナ総研フェロー)

1982年上智大学外国語学部英語学科卒業後、2021年5月まで39年間カシオ計算機株式会社に勤務。初めの約27年間はシステム商品の海外営業を担当。その間オーストラリアに約2年、米国に約4年の駐在を経験。その後の約12年間はCSR推進室(後にサステナビリティ推進室)室長としてコンプライアンス及びCSR(サステナビリティ)のグループ内への浸透を推進。グローバルコンパクトの原則に基づき、ISO26000をガイダンスとして、特に「人権」を重点課題として取り組みを進めた。また、2015年にCSRリーダー組織を立ち上げボトムアップによるCSRのグループ内浸透を図った。 2018年度よりオルタナが主催するサステナビリティ(SUS)部員塾の講座「CSR検定3級試験過去問演習と解説」の講師を担当。特定非営利活動法人環境経営学会理事。

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キーワード: #SDGs

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